地上から約10メートルの高さにあるJR武田尾駅。エレベーターの設置などバリアフリー化の事業が始まることになった=兵庫県宝塚市提供

 兵庫県宝塚市北部にある高架駅、JR武田尾駅をバリアフリー化する事業が2024年度、本格始動することになり、市や県、JR西日本が地元の代表者らに計画を説明した。エレベーター設置は地元が長く要望してきたといい、28年度の完成を予定している。

 武田尾駅は福知山線沿線。市域の約3分の2を占める西谷地区の玄関口にあたり、近くには温泉や桜の名所、廃線跡などの行楽スポットもある。利用者は1日平均1000人前後。

 駅は地上からスロープや階段を上った2階に改札口、3階にホームがあり、ホームまでの高さは約10メートル。利用者はホームまで階段やスロープで上らざるを得ず、高齢者や車椅子利用者らには難しかった。

 事業はホームまでのエレベーター2基を設置し、トイレを多目的のものに改修する。事業費は13億円の見込み。国や県の補助制度に採択され、費用は国が2分の1、県と市が4分の1ずつ負担する。完成後、市は駅近くのバスロータリーなどもバリアフリー化する計画だ。

 現地での説明は6月21日にあった。地元の西谷自治会連合会の平井清文会長は「長年の要望がやっと実る。西谷への観光客がもっと増えて活性化につながることを期待したい。高齢者らが事故なく駅を懸念なく利用でき、お年寄りの外出が容易になることもありがたい」と話した。

 県によると、同じ補助制度を活用してバリアフリー化される駅にはJR京口駅(姫路市、25年度完成予定)がある。【土居和弘】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。