報道陣に初めて公開された新型の北極域研究船「みらいⅡ」の建造現場。工場内には船底・船尾部分となるブロックが並べられていた。これらをさらに組み立て船体の形となっていく=19日午後、横浜市磯子区(三尾郁恵撮影)

海洋研究開発機構などは19日、日本初となる砕氷型の北極域研究船「みらいⅡ」の建造現場を報道陣に初めて公開した。令和8年に竣工(しゅんこう)予定で、厚さ1メートル以上の氷を砕きながら航行でき、北極点付近までの到達を目指す。温暖化に伴う航路開拓などで北極圏の重要性が増す中、最新の観測機器で調査研究をリードすると共に、日本のプレゼンスの強化にもつなげる。

みらいⅡはJMU横浜事業所磯子工場(横浜市磯子区)で建造が進む。船体を85ブロックに分けて別々に作り、最終的にドックで組み立てる。

19日に公開したのは、船体のうち航行中に氷と接する部分。鋼材の表面をステンレスで覆うことで氷との摩擦が減り、燃費が良くなるという。

みらいⅡは全長128メートル、幅23メートルで総トン数は1万3千トン。総建造費は339億円。レーダーやドローンをはじめとした機器で、大気や海洋観測などを行う。初の本格的な研究航海は、9年夏を想定している。

北極圏をめぐっては近年、米国やロシア、中国をはじめ主要国が探査を強化している。日本が北極観測で用いている海洋機構の海洋地球研究船「みらい」は砕氷能力がなく、北緯75度付近までしか到達できない。

みらいⅡは南極観測船「しらせ」と同様、氷の上に乗り上げて砕きながら航行する。

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