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<男児・男性とは異なる女児・女性のADHDのサインについて、専門家が明かす>

ADHD(注意欠如・多動性障害)は全世界の成人のうち約3%いるとされるが、多くの人が診断を受けておらず、女性はその傾向が顕著になっている。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、男性は女性のほぼ2倍の多さでADHDと診断されているが、女性の約75%が未診断であるという。

少女や女性に見られる最も一般的で見落とされがちなADHDの徴候について、心理学者のジャニナ・マシュケ博士は次のように本誌に語った。


「ADHDは、男児と女児では異なる形で現れることが多いのです。女の子は内向的であることが多いに対して、男の子は外向的な行動を取る傾向があります。その結果、学校で他の生徒を邪魔するなど症状がわかりやすく、男児のほうがADHDと診断されやすくなる一因になっています」

女の子の内向的な行動は「内気」や単なる「関心の欠如」と誤解されることが多いとして、マシュケ博士は次の15の症状に注目すべきだと話す。

「女の子のADHD」15の徴候

・引っ込み思案で内気に見える ・すぐに泣いたり、しょっちゅう怒る ・つねに夢見がちで、自分の世界に閉じこもっているように見える ・集中力の維持が難しく、気が散りやすい ・外見だけでなく物理的空間が汚く、片付けが苦手 ・やる気がないように見え、努力しているように見えない ・時間管理が下手で忘れっぽく、いつも遅刻する ・音、布地、感情に非常に敏感 ・おしゃべりで話し続けるが、聞き上手ではない ・ケアレスミスが多い ・バタンと大きな音をたててドアを閉めることが多い ・物事をやり遂げることが苦手 ・次から次へとやることを変える ・情報や指示の理解に時間がかかり、話を聞いていないように見えることがある ・衝動的に話し出し、人の話を遮ることが多い


ADHDの症状の重さや種類は、月経周期を通じて変動し、断続的かつ不規則に見えることがあるという。

「月経前の段階でエストロゲンのレベルが低下するため、ADHDの症状が悪化し、症状が目立つようになります。エストロゲンはドーパミンを増加させます。そのドーパミンの生成にエストロゲンのレベルの低下が影響を与えるため、結果としてADHDの症状に影響を与えるのです」

ドーパミンレベルが直接的にADHDの症状を引き起こすかどうかについては、まだ明確にはなっていない。しかし、ドーパミンレベルの低下がADHDの症状に関与する可能性については多くの研究が示唆している。

「ホルモンの変化がADHDの症状にどのように影響を与えるかを理解することも重要です。これは女性本人と医師、心理学者、パートナー、そして友人などがADHDを理解し、ライフステージに合わせてうまく対処していくために重要です」とマシュケ博士は述べる。


では、知り合いがADHDの疑いがある場合、どうしたらいいのか?

「専門家による診断を受けることが重要です。最初のステップとして小児科医やメンタルヘルスの専門家に相談するのがいいでしょう。心理臨床面接、行動評価尺度、特に18歳未満の場合は教師や親からの聞き取りも含めて評価を行います」

女性が自身のADHDの症状を認識し、対処する方法についてはマシュケ博士が新刊『ADHDのためのフェミニスト・ガイド(A Feminist Guide to ADHD)』(10月8日刊行予定)でより詳しく紹介される予定だ。



 『ADHDのためのフェミニスト・ガイド(A Feminist Guide to ADHD)』
  ジャニナ・マシュケ(Janina Maschke)[著]
  Watkins Publishing[刊]

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自身のADHDについて語るジャニナ・マシュケ博士

Dr. Janina Maschke of ADHD Empowerment Coaching | accessiBe's Spotlight Sessions/accessiBe

 

女の子のADHDの気づき方

How to ADHD

 

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