兵庫県宝塚市で4日、体長40~50センチくらいで茶色の動物が武庫川を悠々と気持ちよさそうに泳いでいるのを目撃した――。
そんな情報が「つながる毎日新聞」に寄せられた。目撃した男性(81)=同市=は「カピバラのようだった」と話す。果たして動物の正体は?
男性は、日課の武庫川沿いの河川敷で日課の散歩をしていた時、川にこの動物がいるのを見つけた。
「こんな所にカピバラがいるのかとびっくりした。ゆったりと泳いでいて楽しそうだった」
この動物は、本当にカピバラなのか。カピバラを飼育している姫路セントラルパーク(兵庫県姫路市)顧問の福重祥一さん(65)に、男性から提供してもらった写真を見せて判断してもらうことにした。
福重さんは、こんな印象を持ったという。
「ひげの多さや鼻の部分がなだらかに落ちていること、体格からして、9割の可能性でヌートリアとみられる」
福重さんによると、カピバラは日本動物園水族館協会で計画的に繁殖させている。このため、飼育数も管理されていて、逃げ出した場合にはニュースになる。
これまで、そんなニュースは聞いたことがなく、野生化しているとは考えにくいという。
カピバラとヌートリアの見分け方について、福重さんは「しっぽが無い方がカピバラ。ある方がヌートリア」と教えてくれた。
カピバラはげっ歯目でテンジクネズミ科。南米のブラジルやパラグアイなどに生息する。草食性だが、動物園では根菜類も食べるという。
一方、ヌートリアもげっ歯目で、ヌートリア科。南米のチリやアルゼンチンなどにすむ。草食性でアシやマコモなどの草を食べ、稲も食べて農作物に被害を与えるという。
特定外来生物として指定されており、捕まえたり、持ち帰ったりすることは原則、禁止されている。見つけた場合、自治体や最寄りの環境省の地方環境事務所へ情報提供を呼び掛けている。【砂押健太】
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