西九州新幹線の整備方針が決まらず、武雄温泉(佐賀県武雄市)―長崎(長崎市)間で部分開業が続いている問題をめぐり、与党の検討委員会は24日、国会内で関係自治体からヒアリングをした。佐賀市の坂井英隆市長は、国が求めるフル規格で佐賀駅を通るルートに消極的な姿勢を示した。

 ヒアリングには佐賀市のほか、すでに新幹線駅がある佐賀県嬉野市や長崎県大村市などが出席し、非公開で行われた。

 坂井市長は終了後、報道陣の取材に応じ「在来線の利便性の低下や建設費の負担など、佐賀の抱える事情を多角的に理解してほしい」との意見を述べたことを明らかにした。佐賀駅ルートでメリットも見込まれる佐賀市が消極的な姿勢を示したことで、整備方針の検討は今後も難航しそうだ。

 検討委の森山裕委員長(自民党総務会長)は「新幹線が及ぼす地域の活性化の認識で、開業しているところとそうでないところで大きな差を感じた」と述べた。

 同委は30日にも佐賀と長崎の両県やJR九州などから意見を求める。(池田良)

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