ワークショップ中止問題について語る名古屋市の河村たかし市長=同市役所で2024年7月29日午前10時57分、川瀬慎一朗撮影

 名古屋市が今年制定した「なごや平和の日」(5月14日)に関連し、市が高校生を対象に募った太平洋戦争中の名古屋空襲などについて学ぶワークショップ(WS)が中止になった問題で、河村たかし市長は29日の定例記者会見で「(事業の方法を)真剣に考えないといけない。せっかく『平和の日』も作ったのだから、どう盛り上げていくか考えたい」と述べた。

 WSは高校生が数日をかけ、小中学生向けの啓発動画を制作する計画だった。15人定員に対し7月21日の締め切りまでに1人、締め切り延長後も3人の計4人しか集まらず、中止となった。

 河村市長は集まらなかった要因について「受験勉強だ。侵略戦争か自衛戦争かは重要なテーマだが、入試に出ないし先生も勉強していない」と持論を展開。高校生に向け「なぜ戦争を起こしたのかを勉強し、戦争で亡くなった人への深い愛情がなければならない。その一環として『平和の日』がある」とWSの意義を語った。

 また市は主に告知チラシで高校生を募集しており「役所も皆に声かけして参加者を集めるという気力がない。学校に行って『こういうことがある』と働きかけすべきだ」と苦言を呈した。【川瀬慎一朗】

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