プチ整形 Z世代は「やりすぎ」を望まず、より小さな整形やインプラントがお好み INSIDE CREATIVE HOUSE/ISTOCK
<40~50代向けだったボトックスなどの「若返り」施術が若者層へシフト。皮膚を切開する必要がない「低侵襲」の施術への関心が高まっている>
今年6月に発表された全米形成外科学会(ASPS)の2023年の年次報告書によると、アメリカでは美容医療の施術・手術が前年から5%増え、件数は史上最多となった。特に体への負担が少ない低侵襲の施術が増加しており、これにはZ世代の行動が大きく影響している。
23年にアメリカで行われた美容整形手術は157万5244件、皮膚を切開する必要のない低侵襲美容整形術は2544万2640件。このうちボトックス(ボツリヌス毒素製剤)注射だけで約470万件、ダーマル・フィラー(皮膚充填剤)施術は約340万件に上る。
これらの「若返り」施術の約半分は40~54歳に対して行われているが、専門家は若い層へのシフトが進んでいることも報告している。
「Z世代(報告書の調査では20~29歳)は、主に神経調節製剤注射やフィラーのような低侵襲の施術に関心がある」と、ASPSの研究部門である形成外科財団のスコット・ブラッドリー・グラスバーグ会長は本誌に語った。
さらにグラスバーグは、現場の医師たちは若い患者へのシフトが進んでいることを実感しており、その主因はソーシャルメディアにあると思われると付け加えた。
小陰唇縮小術も増加
低侵襲治療に加え、ASPSによれば「高年齢層」と関連付けられることが多い顔面の施術も、この層で増加している。23年に額や眉間のしわを改善する前額リフト(おでこのしわ取り)を受けたZ世代は前年から58%増えた。
もう1つの顕著な傾向は、Z世代で小陰唇縮小術(小陰唇の余分な皮膚を切除して形を整える手術)が前年より9%増加したことだ。
この変化は性器の外見に対する不安の増加の反映である可能性がある。専門家はその原因としてポルノの影響や、個人によって小陰唇の長さに大きな差があることへの理解不足があるとみている。
Z世代の間では豊胸手術への関心も高まっており、23年は前年から8%増加した。グラスバーグによれば、この世代は「やりすぎ」を望まず、より小さな整形やインプラント(シリコン挿入)を希望するようになってきたという。乳房縮小術も前年から10%増加している。
美容整形手術を考えているなら、この分野の専門医である認定形成外科医の診察を受けることが重要だと、グラスバーグは言う。
「美容整形術は、安全で効果的な手術を行う上で十分な訓練と経験が必要な専門領域。認定医制度は、その医師が適切な資格を持ち、患者の安全を重視することを保証する。治療を受ける施設が厳しい安全基準を満たしている認定施設かどうかも確認すべきだ。こうした資格は最高レベルの安全を提供する」
美容整形を受ける前にメリットとリスクを見極め、担当する医師や医療施設をよく調べることが大切ということだ。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。