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<韓国を代表するライティング・コーチが語る、迷わずに効率よく書ける論理的な読書感想文の書き方>

夏休みの宿題で、子どもたちがついつい先延ばしにしてしまいがちな「読書感想文」。課題図書を読んでその感想をまとめるのは、たしかに骨の折れる作業だ。

しかし、ハーバード大学で150年間教えられている作文公式に当てはめれば、簡単に思考の整理ができ、面倒な感想文もスラスラと書けるようになるのだ。

今回は韓国でロングセラーとなっている『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)から、ライティング・コーチのソン・スッキ氏が、子どもにもわかりやすく論理的な感想文の書き方を語る部分を抜粋して紹介する。

※本書からの抜粋第1回:【文章力UP】「1日10分・自発的・手書き」、子どもの「論理的に書ける脳」をつくる3つのキーワード

◇ ◇ ◇

進路、成績、専攻。読書はすべてにつながっている

高校で進学指導をしているある先生が、新聞のインタビューで読書の重要性について力説していました。

「もし今、うちの子が高校1年生ならば、とにかく本を読ませたい。読書は、進路探しや成績など、すべてのことをにぎるカギだからです」

この先生が読書の大切さを語るのも当然です。記事によれば、韓国の大学入試では、受験生たちの学力や専攻分野への適性をはかるときに、まず「読書記録」を確認して判断基準としているのだそうです。そのため、次のような問題が出題されます。

「高校在学中に読んだ本の中から、特に感銘を受けた(感動して心を動かされた)本を3 冊以内で選び、その本を読んだきっかけ、本の評価、自分が受けた影響を述べなさい」

難しそうですって? たしかに、こうした小論文の執筆は、学校の宿題で書く読書感想文の感覚ではとても勝負できません。そのため、高校の先生たちは生徒に対し、日常的に本を読むだけではなく、その本から何を感じてどんな影響を受けたのか、具体的に記録する習慣をつけなさいと指導しています。

みなさんはいかがですか? 小学校低学年の生徒たちの読書感想文を見ると、たいていが本のあらすじのまとめと短い感想だけで終わっていて、本の内容に対する自分の考えを盛り込むところまではできていません。みなさんもこの書き方から抜け出さない限り、大きくなっても感想文が上達しません。

オレオ公式で読書記録を書く

みなさんも、本を読んでいる間に浮かんだ考えや感情を大切にし、その理由を振り返る習慣をつけましょう。これも、オレオ(OREO)公式を活用して次のように書くことができます。

〈例〉
Opinion(意見・主張/以下「O」) : 私は『〇〇〇』という本を読みました。
Reoson(理由・根拠/以下「R」): この本を選んだ理由は、~~~~~だからです。
Example(具体例/以下「E」) : この本を読んで、〇〇の部分や△△ の部分で、こうした考えや、感想を持ちました。
Opinion(意見・主張/以下「O」): この本を読んで、〇〇という考えを持ちました。

読書が終わったら、毎回、自分に対してこんなことを質問してみてください。
「この本を友達にすすめたいか?」
「すすめるなら誰にすすめる?」
「なぜすすめたいのか?」
「気に入ったフレーズや文章はあった?」
いかがですか? 答えが浮かんできたら、それもオレオ公式で書いてみましょう。書き終わったら、立派な読書感想記録になっています。

〈例〉
O : 私はこの本を、~~している友達にすすめたいです。
R : なぜならば、この本が~~~で、~~~だからです。
E : たとえば、この本に~~~という内容が登場します。
O : だから、~~している友達がこの本を読んで、~~してくれたらいいなと思います。

本の内容に合わせて質問のバリエーションを変えると、文章が面白くなります。
「その本を読んで学んだことは何?」
この質問に対して、オレオ公式を使って作文してみます。

〈例〉
O : この本から学んだことをひとつ取り上げるなら、~~~ということです。
R : 私が、そのことを選んだ理由は~~~だからです。
E : たとえば、この本に~~~という内容が登場します。
O : この本で学んだことを生かして、これから~~~するつもりです。

書いた文章は何度も見直してこそ、完成する

文章は一度書き終えてからが勝負です。実はハーバード大学の学生たちも、エッセイを書き終えた後、その文章を何度も修正しているのです。学生たちが提出したエッセイは大学に所属する専門家たちが添削し、よりよい文章になるようにサポートしています。文章は、何度も修正を重ねてようやく完成するのです。

学生たちは、このように、「書く」⇒「添削」⇒「修正」という過程を何度もくり返しながら、テーマを深く掘り下げて考えることを学んでいきます。何よりもこの過程を通して、書いた文章を推敲することの大切さを学んでいるのです。

自分が書いた文章に赤ペンで修正されるのは、誰でもちょっと悲しく、時にはムッとしたりもするものです。しかしそれはくり返されることで慣れていくものです。ハーバード大学の学生たちも、何度も添削されるうちに自分の書いた文章がどんどん完成度の高い文章に変わっていくのを目の当たりにし、怖がらずに文章を書き、提出できるようになっていきます。

作文を書くことに抵抗のあるみなさんも、怖がることはありません。最初からうまく書ける人などいないのです。新聞も本も、教科書だって、プロが書いた文章を何度も修正して、完成度を高めたものが掲載されているのですよ。
さあ、怖がらずに書いて、どんどん修正しましょう。

「推敲の3ステップ」のルール

スマートフォンがアップデートをくり返しながらどんどん使いやすくなるように、文章もアップデートが重要です。文章をよりよいものにするため、文章を書き終えたなら、次に紹介する「推敲の3ステップ」を必かならず行いましょう。

① 音読する
赤ペンを片手に、最初から最後まで声に出して読んでみましょう。自分の意図が伝わるようにうまく書けているでしょうか? 声に出して読んでいくと、つながりが不自然だったり、表現の間違いがあるところで引っかかるため、修正ポイントがすぐに発見できます。修正が必要なところを赤ペンでチェックしましょう。また、読みづらい部分、発音しにくい部分にもチェックをしておきましょう。後でもっといい表現がないか考えるためです。

② 少し間をおいてから読む
書き終えてすぐに読み返しても、自分が書いた内容が頭の中に残っているので、間違いやおかしな部分に気づきにくいものです。少し経ってから読み直すと冷静な視点で読むことができるので、効果的に修正することができます。

③ ボリュームに合わせて簡潔にする
だらだらとした長い文章は読みづらいものです。しかし、書きたいことをいきおいまかせに書いていると、どうしても文章が長くなってしまいます。推敲段階で修正するときは、できるだけ短くすっきりとなるように整えましょう。文字数の制限を超えている場合は、どこを削る(捨てる)かもよく考えましょう。


[おうちの方へ]
お子さんの推敲作業をサポートしてあげてください。ただし、いきなり正解の表現や大人びた表現を教えるのではなく、お子さんが推敲する手助けをするように心がけてください。推敲して、最初の文章より少しでもよい文章になれば、それで十分です。



『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』
 ソン・スッキ[著] 岡崎暢子[訳]
 CCCメディアハウス[刊]

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ソン・スッキ

1965年生まれ。大韓民国を代表するライティング・コーチ。ソン・スッキ作文センター、アイデアウイルス代表。稼げるライティングソリューションを提供し、企業と個人のマーケティングコンサルティングを担う。慶熙大学にて国語国文を専攻し、卒業後は、放送局、広告代理店、新聞社、雑誌社、女性向けポータルサイト、出版社などで経験を積む。執筆活動歴35年、ライティング指導歴20年。『150年ハーバード式ライティングの秘密』は韓国で10万部のロングセラー。


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