7世紀半ば、なにわの地に突如出現した難波宮(なにわのみや)の発掘が始まって70年。大阪歴史博物館(大阪市中央区)では古代日本のターニングポイントと銘打ち、記念特別展「大化改新の地、難波宮」を開催中だ。

 古代の都が飛鳥地方(奈良県明日香村周辺)に置かれていた飛鳥時代、権勢をほしいままにした蘇我本宗家は乙巳(いっし)の変(645年)で滅亡する。直後、孝徳天皇は都を飛鳥から難波に移し、天皇中心の国造りを開始した。

 その「大化改新」と呼ばれる政治改革の舞台となったのが難波長柄豊碕宮(なにわながらとよさきのみや)(前期難波宮)だ。中国風の整然とした左右対称プランで、「日本書紀」はその壮麗さを「とても言葉で言い表すことができない」と記す。その後都は再び飛鳥に戻るが、奈良時代には聖武天皇がここを整備した。

 会場には、そんな難波宮を造営中の「戊申年(ぼしんねん)」(648年)木簡=複製=や土器類、祭祀(さいし)関連品など70年に及ぶ発掘調査で見つかった遺物が並ぶ。「大化改新」ゆかりの品々や、もうひとつの舞台、飛鳥地方での出土品もそろえ、古代日本の国造りの過程を通観できる。8月26日まで。大人1100円、高校生・大学生730円。火曜休館(8月13日は開館)。(編集委員・中村俊介)

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