「世界一美しい帆船」と言われるイタリア海軍のアメリゴ・ヴェスプッチ号が東京・お台場に初めて寄港しており、26日から30日まで一般公開されている。昨年7月から始まった世界一周ツアーの一環で、日本は17カ国目。93年の歴史ある帆船を見ようと多くの見学客でにぎわっている。

 ヴェスプッチ号はイタリア海軍の練習艦で、1931年に進水した。全長82メートルで、排水量は4200トン。航海訓練や海軍外交などを任務としており、26日に東京国際クルーズターミナル(東京都江東区)に入港した。

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 黒と白を基調としたヴェスプッチ号は、黄色い3本のマスト(最高56メートル)がそびえ立ち、船体には金色の装飾も施されている。同海軍関係者は「この時代に建造された現存の大型帆船は少なく、船に刻まれたその歴史からも世界で最も美しい帆船といわれる」と話す。

 エンジンも搭載しているが、風を受けた帆による航行でも最高15ノット(時速約28キロ)の速度が出るという。

 昨年7月にイタリア・ジェノバを出港。南米や米国を経由して日本に寄港した。30日にフィリピン・マニラに向けて出港し、来年6月までに計31カ国をまわる。

 ヴェスプッチ号は一般公開されているが、見学には予約が必要(https://tourvespucci.it/jp/tokyo-august-26-30-2024/)。ターミナルではイタリアのグルメや文化を紹介するイベントも行われている。(編集委員・奥寺淳)

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