茨城県境町と五霞町は、ムスリム(イスラム教徒)の児童・生徒でも食べられるハラールフード(神に許された食品)の給食を初めて提供した。両町の小中学校に給食を提供する境町学校給食センターは「宗教に関係なくみんなと同じ給食を楽しんでほしい。日本の子どもにも世界の食生活や多様性を知ってほしい」と話している。
イスラム法では、豚肉や、定められた手順で処理をしていない牛肉、鶏肉などを食べることを禁じている。このため給食が食べられず弁当を持参する児童・生徒が境町に35人、五霞町に4人いる。
同センターは4日、ムスリムでも食べられる献立を用意。イカ天ぷら▽たまご丼の具▽ごはん▽みそ汁▽リンゴジュース▽冷凍ミカン--を提供した。
境町立境小学校(児童数499人、山崎英男校長)では、外国人児童ら23人が給食を初めて体験。パキスタン人で4年生のファーティマ・ユッサフさん(10)は「初めての給食はおいしかった。みんなと一緒に食べられてうれしかった」と笑顔で話した。
県内では、つくば市が同様に「みんなで食べる給食の日」を年に2回実施している。
同センターは今後も定期的にハラール給食を提供する予定。またビーガン(完全菜食主義者)など多様な食文化に対応する献立についても検討する。【堀井泰孝】
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