帝国データバンク静岡支店の調査によると、静岡県内企業の女性管理職(課長相当職以上)の割合は2024年7月時点で平均9.6%と23年調査に比べて0.9ポイント伸び過去最高だった。10.9%と初めて1割を超えた全国平均は下回っている。政府目標の30%以上を達成する企業も11.6%で最高だったが規模や業種により差が開いた。
県内企業の女性管理職の割合は「10%未満」という回答が23.5%で「10%以上20%未満」が7.3%、「20%以上30%未満」が4.6%だった。一方、管理職が全員男性という企業は47.9%で、前年調査を 3.2ポイント下回ったもののなお半数近い。
規模別にみると大企業が5.8%で最も低く、中小企業は10.1%。そのうち小規模企業は13.1%だった。業界別では小売が34.4%で最も高く、不動産(15.6%)、農・林・水産(15%)が続いた。一方で運輸・倉庫は2.6%、建設が5.8%、製造が6.7%と女性従業員自体が少ない業界は水準が低い。
役員に占める女性の割合は平均13.6%と前年調査から1.2ポイント増え最高だったが、半数以上の企業で役員全員が男性だった。女性割合は大企業が9.7%と平均を下回ったが、小規模企業は20.8%と管理職と同じく規模が小さいほど割合が高い結果となった。
女性管理職が今後増加すると見込む企業の割合は27.7%だった。従業員が301人以上の企業では64.3%で平均を大きく上回った。女性役員が増加すると見込む企業は8.8%にとどまった。
女性の活躍推進のために取り組んでいること(複数回答)では「性別に関わらず成果で評価」が57%で最も多かった。「性別に関わらず配置・配属」が47.3%で続き、「女性の育児・介護休業の取り組み推進」(35.4%)や「時短勤務の対応」(26.5%)など働き方の改善への取り組みも上位となった。
女性管理職が増加しない理由(同)では「女性従業員の家庭と仕事の両立がしにくい」が58.8%で最多。「女性従業員が昇進を望まない」と回答した割合は38.7%だったが、大企業(45.2%)と中小企業(37.8%)で7.4ポイントの差があった。
帝国データバンク静岡支店は人手不足の深刻化により女性の労働力の掘り起こしが重要と指摘。企業による女性活躍支援だけでなく、政府による女性自身の意識改革や、女性が社会進出しやすい環境づくりも重要だとした。
調査は7月18〜31日、県内783社に実施し有効回答は348 社(回答率44.4%)だった。
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