検討会議が指針案をまとめた(28日、東京都新宿区)

東京都は28日、顧客による著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」防止の条例を補完する指針(ガイドライン)について検討会議を開き、ガイドライン案をまとめた。都は2025年4月の条例施行に向け、案をもとに年内にもガイドラインを公表する。

ガイドラインは罰則がなく理念的な内容にとどまる条例を解説する。顧客が果たすべき責務を「意見や要望の伝え方を工夫する」ことなどと説明し、企業側には「商品やサービスの提供停止の通告」などの対処が求められるとした。

また「土下座をするよう強要する」「物を投げつける」「唾を吐く」「話しながら物をたたく」などをカスハラの行為類型にあげた。従業員の保護につながる企業の取り組み事例や消費者の権利保護の必要性も明記した。

検討会議は企業向けの業界団体共通マニュアルの素案も示した。カスハラが発生した際には複数人で対応したり、対応時間の限定が有効としたほか、出入り禁止などの措置も可能であるとした。刑法などの処罰対象となる行為であれば警察に通報するよう求めた。マニュアルは次回の検討会議で案としてまとめる。

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