米大リーグ、ドジャースは日本時間6日、所属する大谷翔平選手がワールドシリーズの第2戦で負傷した左肩を手術し、無事に成功したと明らかにした。これまでは「亜脱臼」と説明されていたが、球団によると、亜脱臼による「左肩関節唇断裂」だったという。どのようなけがなのか。
肩関節は、上腕骨の上部先端にある上腕骨頭(じょうわんこっとう)というボール状の部分と、肩甲骨の関節窩(かんせつか)と呼ばれるくぼみで構成されている。小さな皿に大きなボールが載っているイメージだ。他の関節と比べると不安定なため、前後や上下に動かないよう支えて安定させる役目を、筋肉や靱帯(じんたい)、さらに軟骨状組織の「関節唇」が担っている。
丸いパッキンのような関節唇は骨にぴったりとくっついているが、脱臼や肩の酷使などによってはがれたり、亀裂が入ったりしてしまうことがある。これが肩関節唇断裂だ。損傷を受けると肩を動かす際に痛みが走ったり、不安定に肩がずれるような感覚が残ったりする。
安定性が低下するため、何度も脱臼を繰り返す状態になってしまうこともある。一般的に治療には半年程度の時間がかかるほか、手術が必要になることもあるという。プロ野球選手の負傷事例も多く、ソフトバンクの小久保裕紀監督も現役時代に手術を受けた。
大谷選手は内視鏡手術で関節唇の修復をしたという。大阪産業大の大槻伸吾教授(スポーツ医学)は「損傷の程度や範囲が分からず深刻度は不明だが、より肩の安定化が期待できる選択をしたのだと考えられる」と話した。【露木陽介】
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