スーパーフードとされる「シーモス」　GINGAGI/ISTOCK

＜このスーパーフードは何が含まれる？　注意すべき点は？　栄養学と薬草の専門家に聞いた＞

最近、TikTok（ティックトック）では健康効果抜群の「スーパーフード」として海藻の一種シーモスが注目を集めている。

美容インフルエンサーのタチアナは210万回視聴された動画で、2年前から摂取していると語った（下の動画）。「世界に102種類あるミネラルのうち92種類が含まれている。私は毎日、スプーン1杯食べてる」

おかげでニキビが治り、心の不安がなくなり、脳にかかった霧が晴れ、体の内側から輝き出したという。

@tatlafata

If you've been here for a while you know I swear by my seamoss 🪸

♬ original sound - Tatyana

本誌は栄養学と薬草の専門家2人に話を聞いた。栄養セラピストのジェイニー・ペリーは、「必須ビタミンとミネラル、特にヨウ素、オメガ3脂肪酸、抗酸化物質などが豊富に含まれる」と指摘する。

イギリス薬草療法協会会長の薬草医クリス・イーサリッジによれば、「シーモス（学名Chondrus crispus）はヨーロッパと北米の大西洋岸に生息する紅藻類の一種」だ。

「昔から咳、消化不良、胃酸の逆流を和らげる煎じ薬として使われてきた。鎮静作用と抗炎症作用があり、ローションとして手荒れや痔にも使う」

ただし、ヨウ素を多く含む点には注意が必要だ。「甲状腺は代謝やホルモン機能を調節する。ヨウ素が多すぎると、その機能に悪影響を及ぼす」と、ペリーは言う。

2人はまた、シーモスに含まれるプレバイオティクスファイバーは腸内の善玉菌の増殖を助け、免疫力などにも好影響を与える可能性があると指摘する。

だがイーサリッジによれば、シーモスの効能を裏付ける証拠はまだ多くない。

「医療への応用に関する臨床研究はほとんどない。でも体外試験や動物実験では、腸内細菌叢（そう）や免疫への好影響、サルモネラ菌感染リスクの低下、（血栓予防になる）抗凝固作用、男性の生殖能力向上の可能性などの効果が示唆されている」

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