滑り止め用の粉と、こいのぼりをそれぞれ製造する岡山県内の二つの企業が協力し、受験用の「すべらないお守り」を作った。企業の担当者は「こいのぼりのように逆境や苦難を乗り越え、すべらない粉で壁を登り切ってほしい」と話す。
お守りを作ったのは、岡山県備前市の工業用資材メーカー「山陽クレー工業」と同県和気町のこいのぼりメーカー「徳永こいのぼり」。「合格祈願」などの文字や顔が描かれた3種類を作った。
山陽クレー工業は普段、備前市特産の養殖カキの殻を粉砕してクライミング用の滑り止め粉を作っている。別の使い道として、山陽クレー工業がお守り作りを徳永こいのぼりに提案。こいのぼりの端切れで作った袋に粉入りのカプセルを詰めて完成した。
備前市特産の牡蠣(かき)の身をかたどったなめらかな肌触りで、牡蠣の身のプリプリ感や外套(がいとう)膜と呼ばれる黒いヒダも忠実に再現している。
1個1000円で山陽クレー工業や県内の神社、文具店などで販売されている。同社の瀧本亮さん(43)によると、受験生だけでなく、お年寄りの転倒防止や交通安全などのお守りとしても購入する人がいるという。
瀧本さんは「廃棄資材が活用でき、SDGsに繋がる取り組みになった」と語った。問い合わせは同社(0869・84・3121)。【今東理恵】
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