和歌山県白浜町の白良浜(しららはま)海水浴場が3日、開設された。今年は初めて着ぐるみで競う「ティラノサウルスレース」が実施された。本物のペンギンの「お散歩」もあり、大型連休で訪れた観光客らは、「本州で一番早い夏」を満喫した。

 町営の白良浜海水浴場は、2016年まで5月に設置していた。17年から7月になり、22年から再び5月に戻した。町によると「本州で最も早い」という。

 この日は好天に恵まれ、気温22度、水温22度。海水浴にはまだ寒かったが、訪れた人々は元気に水しぶきを上げていた。昨年は連日の猛暑と、お盆休みの台風の影響で20万人弱にとどまったが、にぎわいはコロナ禍以前の頃を取り戻しつつあるという。南紀白浜観光協会の藤田正夫会長は「白浜の長い夏を世界に発信していきたい」と話していた。

 海開きに合わせて開かれた「ティラノサウルスレース」は、大型の肉食恐竜の着ぐるみを着て競走する催しで、米国発祥とされる。22年4月に鳥取県の大山町で開催されたレースがテレビやSNSで取り上げられ、広まったという。

 この日は約150人が参加して、浜辺を駆け抜けた。また、アドベンチャーワールドで6月から4年ぶりにペンギンパレードが復活するのに合わせて、ケープペンギン3羽が砂浜を歩いた。観光客らがかわいい姿を見守った。

 すさみ町のすさみ海水浴場では、パロディー国家「イノブータン王国」の「建国祭」が開かれた。

 1986年の建国以前から実施していた伝統の「イノブタダービー」は、レースに参加する生後約3カ月のウリボウが確保できなかったため、見送られた。

 イベントとして、かくれんぼ大会が初めて開かれたほか、シーカヤック体験やマーチングバンド演奏などがあり、多くの人々が楽しんだ。(勝部真一)

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