長崎県内の介護職種の技能実習生第1号として2018年に来日したスリランカ出身のニマーリ・ワットサラーさん(31)が今春、介護福祉士の国家資格を取得した。長崎市古賀町の介護施設「ショートステイ王樹(えんじゅ)」で介護士として働くニマーリさんは「もっと仕事を頑張りたい」と意気込んでいる。【尾形有菜】
ニマーリさんは、NHK連続テレビ小説「おしん」(1983~84年)が母国で放送されたのを見て日本に興味を持ち、高校で日本語を学んだ。日本の雑誌を読むなどしてさらに関心を深め、来日を決めた。
スリランカでは、高齢になった親の世話を子供がするケースが多く、介護職の認知度は高くない。ニマーリさんは来日して王樹で働き始め、きめ細かく高齢者を介護することに驚いた。利用者が笑顔になり、「ありがとうね」と言われることにやりがいを感じた。
ニマーリさんは3年間の技能実習を終えていったん帰国し、最長5年在留できる「特定技能」の資格で23年1月に再来日。職場の先輩たちから介護福祉士の受験を勧められ、同4月から実務者研修を受け、筆記試験に向けた勉強を始めた。
試験は日本語で出題されるため、高い日本語能力と介護の専門知識が必要とされ、狭き門となっている。ニマーリさんは仕事の前後や休日に猛勉強し、24年1月の試験に臨んだ。3月25日に合格の吉報が届き、同僚たちと喜び合った。利用者たちも自分の孫のことのように喜んでくれた。
施設長の本田彰嗣(あきつぐ)さん(43)は「ニマーリさんの顔を見て利用者が笑顔になっているのを見ると、彼女が利用者に真剣に向き合っているということがよく分かる」と話す。
試験に合格し「前よりも介護の知識は上がったんじゃないかな」と自信をつけたニマーリさん。施設で働くスリランカ人の後輩たちにも「介護福祉士の受験をした方がいろんなことが分かってくる」と受験を勧めている。
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