新作ウェア発表イベントに登場した陸上短距離のサニブラウン アブデルハキーム(25、東レ)がパリ五輪へ向け「しっかりメダルラインに届きたいですし、金メダルを取りたいですやりたいもの、掴みたいものがいっぱいある五輪イヤー」と意気込みを語った。
今季4戦目となる19日のセイコーゴールデングランプリ陸上2024東京ではこの新たな勝負服と共にパリ五輪の参加標準記録(10秒00)を突破を目指す。そして、パリ五輪では1932年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳の6位以来の日本人92年ぶりの決勝進出の快挙を目指す。練習拠点のアメリカフロリダ州で、飛躍の鍵を本人に聞いた。
サニブラウン アブデルハキーム:
やっぱり(自分は)足のタイプとして後半伸びるのはわかっているので、やっぱり前半からしっかり組み立てていかないと、後半離された状態で伸びても追いつけない。やっぱりスタートでどれだけ近くにいるかっていうのが一番大事なので…スタートですね。
サニブラウンにとってスタートは大きな課題だ。昨年の世界陸上決勝では反応タイムが下から2人目と、スタートで致命的なリードを奪われた。
覚醒の瞬間「ハマる1本があったんです」
サニブラウン:
要はまだスタートをずっと取り組んでいる…本当に今年に関してはだいぶ感覚が違うぐらい、いい感触がスタートで出るように…本当に感覚の部分の問題で、“キタっ”ていう急に(去年の)11月ぐらいですかね。“パッ”てなって、そこから本当に、なんていうんですかね…こういうことかっていう、(練習で)ハマる1本があったんです。
自身が「今年は例年に比べて調子も上がってきてますし、練習の手応えもいろいろとつかめてる部分が多いので、今年はいけるかなと思ってます」と成果が結果にあらわれる。2月アメリカでの室内60mの決勝ではパリの金メダル候補、クリスチャン・コールマン(28、19年世界陸上金メダル)を相手にスタートで食らいつくと、フィニッシュは横一線。僅差で敗れたが、そこには進化した姿があった。
100mでは今季、3月にアメリカで行われた大会(ハリケーン大学招待)で、参加標準記録に迫る10秒02(+0.5)をマーク。4月14日のトム・ジョーンズ招待では10秒04(+1.7)を出し、2戦続けて10秒0台と好調をキープ。2週間後の「イーストコーストリレー」では10秒15(+0.9)だった。
今季4戦目となる19日のセイコーゴールデングランプリ陸上2024東京では「参加標準記録をまだ切っていないので、しっかり切っていきたい。(記録突破は)遅かれ早かれ出ると思います」と二大会連続五輪出場(21年東京は200m代表)への自信を覗かせる。
パリ五輪は「1位じゃなきゃ満足できないと思うので、目標は1位です」
サニブラウン:
過去世界大会は悔しい思いしかしてないので、今回(パリ五輪)は本当にメダル取りたいですよね。やっぱりでも1位じゃなきゃ満足できないと思うので、目標は1位です。
サニブラウン アブデルハキーム
1999年3月6日生 福岡県出身 190cm
父はガーナ人、陸上経験者の母の勧めもあり、陸上競技へ。15年世界ユースでは100m、200mで金メダル。17年世界陸上ロンドン200mで7位入賞。19年世界陸上ドーハ 4×100mリレー銅メダルメンバー (37秒43、 4走)。2019年11月、プロ転向。22年オレゴン世界陸上で100mで7位入賞。23年世界陸上ブダペストでは100mで6位入賞と世界陸上2大会連続入賞を果たした。日本選手権では17、19、22年で100m優勝、17、19年で200m優勝。100mのベスト9秒97は日本歴代2位。
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