■体操・第63回NHK杯 女子2日目(18日、群馬・高崎アリーナ)

体操女子のパリ五輪代表がついに決定した。5人全員が10代で五輪初出場という新生日本代表が、1964年東京五輪で獲得した銅メダル以来、60年ぶりの団体メダル獲得を狙う。

なんといっても注目は、宮田笙子(19、順天堂大)だ。4月に行われた全日本個人総合で初優勝を果たし、NHK杯を3連覇するなど、まさに新世代不動のエース。

この日は、得意の跳馬で持ち味である高さのある跳躍を見せ、全体1位となる14.300をマーク。最終種目の床運動でもH難度の大技「チュソビチナ(後方伸身2回宙返り1回ひねり)」を成功させるなど、安定した演技を見せた。

試合後、宮田は「ケガをして出れなかった仲間が本当にたくさんいて、その選手たちも試合前からたくさんのメッセージをくれて『絶対いける!』って言ってくれたから最後まで演技できたと思う。本当にみんなに感謝してます」と涙ながらに仲間たちの思いを背負って戦ったことを明かした。

パリでの目標については「団体でのメダルを第一にみんな掲げていると思うので、ミスなく思い切った演技が出来る練習をして、団体のメダルに繋げたい」と60年ぶりの快挙へ意気込んだ。

2位は去年の世界選手権で個人総合11位の岸里奈(16、戸田市スポーツセンター)で、アトランタ五輪日本代表の豊島(菅原)リサコーチと夢舞台の切符を掴んだ。強靭な脚力を武器に跳馬と床運動を得意とする選手で、なかでも床運動の「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」は前回大会の種目別・床運動で銅メダルの村上茉愛も得意とした大技で、2大会連続のメダル獲得に期待がかかる。

3位は去年のアジア大会で団体・個人総合で銀メダルを獲得し、種目別の平均台では日本人初の金メダルを獲得した岡村真(18、相好体操クラブ)がランクインした。パリ五輪代表選考会では安定した演技を見せ、体操を始めた頃から夢見た舞台への切符を手にした。

4位はこの日が誕生日の中村遥香(16、なんば体操クラブ-ngc)。去年の世界ジュニア女王が今年からシニア大会デビューを果たし、自身の力で最高のバースデープレゼントを手にした。段違い平行棒を得意とする中村は自身の名前が付いた技「ナカムラ(前振り1/2ひねり前方屈伸宙返り高棒懸垂)」とともに五輪で世界に名を轟かせたい。

チーム貢献度枠で内定を勝ち取ったのは、去年のアジア大会代表の牛奥小羽(19、日本体育大)。得意とする跳馬では持ち味のダイナミックな跳躍を見せ、初の五輪代表を決めた。

19日は男子2日目が行われ、既に代表に内定している橋本大輝を除く4人(個人総合上位2人+チーム貢献得点2人)がパリ五輪代表に内定する。

【NHK杯 女子2日目 結果】
1位 宮田笙子 217.162点
2位 岸 里奈   215.526点
3位 岡村 真   213.994点
4位 中村遥香 212.130点
5位 杉原愛子 210.359点

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