21日、神戸で行われている世界パラ陸上は大会5日目を迎えました。
東京パラリンピックで400mと1500mの二冠を獲得した佐藤友祈(34)が今大会自身最初の種目である400mに登場しました。
日本パラ陸上界のエースが挑むはベルギーのカラバン・マキシム(23)。
昨年の世界選手権、当時佐藤が持っていた世界記録を更新し、7年ぶりにこの種目で土をつけた男です。
そして400m決勝、スタートから飛び出したマキシムは一気にスピードを上げ後続との差を広げていきます。
佐藤も必死に前を追うもマキシムが一着でゴール。
佐藤は2位、銀メダル獲得となりました。
レース後、佐藤の第一声は「悔しいです」。
パリを前に急激に力をつけてきたマキシムの出現について、
「ここまで気持ちも熱くなることがなかった。彼が出てきてくれたおかげでパリに向けて自分自身煮えたぎる炎が体の中から出てきている」
と熱い思いを口にしました。
そんな佐藤ですが、今大会を前にアクシデントがありました。
試合に使うため調整を続けていた「レーサー」と呼ばれる競技用車いすの一部が輸送中のミスで壊れてしまったことが判明。
急遽東京パラリンピックの際に使用していた旧型のレーサーを地元岡山から取り寄せることとなりました。
不屈の精神で今大会に挑む佐藤は100m、そしてパリではパラリンピック種目からは外れた、
得意の1500mの2種目にも出場予定です。
この種目、一緒にレースに臨んだ伊藤竜也(38)が銅メダルを獲得。
さらに下肢障がいのクラスの100mで兎澤朋美(25)と前川楓(26)が
銀メダルと銅メダルでダブル表彰台に。
脳性まひのクラスの100mでも小野寺萌恵(20)が世界パラ陸上で自身初のメダルを獲得しました。
今大会、午前の競技と午後の競技の間にメダリストセレモニーが行われます。
日本選手たちはセレモニーのあと真っ先に家族や関係者のもとに向かい、メダルを披露。
昨日2位に入り、この日銀メダルを受け取った鬼谷慶子にも両親と姉たちが待っていましたが、その前にメダルを最も近くで見ることができた家族が一人います。
それはアシスタントを務めていた鬼谷健太さん。鬼谷の夫です。
競技中も車いすから投てき台に向かう際には健太さんが鬼谷を抱えたり、いつもそばには健太さんがいました。
セレモニーの最中も一緒に壇上に上がりメダルを受け取る奥さんを見つめていた健太さん。
健太さんはセレモニー後、他の家族たちにメダルを披露している鬼谷の姿を見つめながら噛みしめるように「本当に嬉しい」と話していました。
パリパラリンピック出場が内定した鬼谷、夫婦二人三脚で初めての大舞台に臨みます。
〔今大会日本勢のメダル〕※21日時点
金:0
銀:5
銅:7
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