プロバスケットボールBリーグの年間王者を決める「日本生命FINALS」(2戦先勝方式)が25日、横浜アリーナで幕を開ける。頂点に立つのは、連覇を狙う琉球(西地区2位)か、初優勝をめざす広島(ワイルドカード)か。

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CSで武器再確認、役者そろった

 琉球はレギュラーシーズンの西地区7連覇を逃した。ラスト10試合は4勝6敗。昨季王者とはいえ、チャンピオンシップ(CS)での前評判は決して高くなかった。

 転機は準々決勝、A東京との第1戦だ。

 2度の延長までもつれた戦いに、司令塔・岸本隆一が3点シュートでけりをつけた。「1点差でも勝てたのはめちゃくちゃ大きい」と桶谷大ヘッドコーチ(HC)。堅守とリバウンド。激しい競り合いの中で、チームの生命線ともいうべき武器を選手たちが再確認できたという。

 千葉Jとの準決勝は第1戦を落としたものの、2連勝と盛り返してみせた。主力の今村佳太、ヴィック・ローがケガを抱える中、小野寺祥太や牧隼利といった脇を固める選手たちが3点シュートを決め、勢いをつないだ。

 多くの選手に出場機会を与えてきた桶谷HCは満足そうに、「やっと役者がそろってきた。ファイナルでも、誰かがヒーローになる要素が出てきた」。

 昨季の決勝でMVPを獲得したのは、ベンチから出たコー・フリッピン(現・群馬)だった。短期決戦は主軸が厳しくマークされ、日替わりヒーローが欠かせないことを桶谷HCは知っている。

 3季連続の決勝。経験値は広島を上回るが、エースの今村は気を引き締める。「難しい戦いになる。自分たちにフォーカスしていくことが重要」(野村周平、堀江麻友)

西3位の下克上、42歳有終なるか

 “下克上”をめざし、ワイルドカード1位でチャンピオンシップ(CS)に乗り込んできた広島が初の決勝へたどり着いた。

 西地区3位だった今季はリーグ戦で36勝24敗。それでも、CSでは準々決勝で中1位の三遠、準決勝で西1位の名古屋Dを退けた。

 西2位の琉球とは今季1勝3敗だが、今年戦った今月4、5日は1勝1敗。2季前には宇都宮がワイルドカードで進出したCSで優勝をさらった。その再現を狙う。

 広島には二つ奮起材料があった。一つは、ゲーム主将の1人であるPG寺嶋良の離脱。3月に右ひざ半月板を痛め、CS出場も断念した。PG中村拓人は言う。「僕自身、同じポジションでもある。思いを背負いながら、良さんのためにやりたい」

 もう一つが、チームを支え続けてきた42歳のベテラン、朝山正悟の今季限りでの引退だ。決勝の舞台は朝山の出身地、横浜。「朝山さんと横浜へ」を目標にチームは勝ち進んできた。

 CSは準々決勝、準決勝とも敵地で接戦を制した。完全アウェーの中、要所で3点シュートを決めるなど貴重な働きを見せてきた山崎稜は「大方の予想は琉球の勝利だろうけど、覆したい」と語る。

 さらに、頼もしい戦力が加わった。3人制の「3×3」日本代表でパリ五輪最終予選をハンガリーで戦っていた三谷桂司朗が23日に合流した。いきなりの決勝だが、覚悟は十分。「緊張するだろうけれど、勝利に貢献できるように全力で頑張ります」(上山浩也)

第1戦 25日(土)12時00分~

第2戦 26日(日)13時10分~

第3戦 28日(火)19時05分~

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