バスケットボールのBリーグは25日、年間王者を決める「日本生命FINALS」(2戦先勝方式)の第1戦が横浜アリーナであり、琉球(西地区2位)が広島(ワイルドカード1位)を74―62で破って2連覇に王手をかけた。
琉球は序盤から、岸本、今村らが3点シュートを効率よく決めた。後半、広島に点差を詰められたが、岸本の2連続3点シュートで突き放した。
渡辺飛勇の「大きな2分間」
出場2分、1リバウンド。目立った成績を残したわけではない。
それでも、琉球の渡辺飛勇は「大きい2分間だった」と自らに納得した。
出番を告げられたのは第2クオーター(Q)の出だし。大きな選手を3人並べる布陣で反撃を試みる広島に対し、207センチの体を張った。出場時間は短くても、効果は大きかった。このQで19―9とリードを広げ、快勝へとつなげた。
東京五輪代表に選ばれた実力者。昨夏のワールドカップも直前まで日本の主力だったが、練習試合のけがで大舞台を逃した。リハビリを経てチームに戻っても、出番は少ないままだった。
ただ、そこで腐らないのが渡辺の長所であり、琉球というチームが「団結」を強みとするゆえん。「常に準備は怠らない。みんなが役割を担っていて、互いの役割が何かを知っているんだ」
得点表を見れば分かるように、琉球はこの日、12選手全員がプレー。一番長く出たダーラムも出場は30分以下だった。プレー機会の少なかった選手たちに決勝という場で出番を与えるリスクを琉球は恐れない。多少のミスは織り込み済みで、それぞれの長所を生かす適応力を磨いてきたからだ。本当の意味で、選手層が厚い。
団体競技でありがちな、取り残されてしまう選手はいない。個に頼りすぎず、チームの器を大きくするチャレンジを重ねてきた先、連覇に手をかけた。(野村周平)
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