田中選手は去年の世界選手権の女子5000メートルで8位に入賞し、日本陸上競技連盟の選考基準でパリオリンピックの参加標準記録14分52秒00を切れば、代表に内定することになっていました。

25日、アメリカで開かれた陸上の世界トップ選手が集まる「ダイヤモンドリーグ」の第5戦で、女子5000メートルに出場した田中選手は、エチオピア勢が序盤からハイペースでレースを進める中、上位争いには絡めませんでしたが、最後まで粘り強く前を追ってフィニッシュし、順位は11位でしたが、14分47秒69のタイムをマークしました。

この結果、田中選手は5000メートルと1500メートルの2種目に出場し、1500メートルでは8位入賞を果たした東京大会に続き、2大会連続のオリンピック代表に内定しました。

優勝はエチオピアの選手でした。

この大会に出場したこのほかの日本選手は、男子110メートルハードルですでにパリオリンピック代表に内定している泉谷駿介選手が13秒33で7位、男子100メートルの柳田大輝選手が10秒26で8位でした。

田中希実選手とは

田中希実選手は兵庫県小野市出身の24歳。

強い体幹を生かした、ぶれの少ないフォームで走るレース終盤のスパートが特長で、1000メートル、1500メートル、3000メートル、5000メートルの合わせて4種目の日本記録を持つ、陸上女子の中長距離のエースです。

北海道マラソンで2回優勝した母親の千洋さんの練習を見て育ち中学生の時に全国女子駅伝で2年連続の区間賞に輝いたほか、全国高校駅伝では地元の西脇工業で、3年連続1区を走って、積極的なレース展開で注目を集めました。

3年前の東京オリンピック、女子1500メートルの準決勝で3分59秒19の日本新記録をマークし、決勝ではこの種目で日本選手として初めて8位に入賞する快挙を成し遂げました。

去年は、女子5000メートルで、8月の世界選手権では8位入賞を果たしたほか、従来の日本記録を2回にわたって23秒以上更新し、14分29秒18の好タイムをマークしました。

多くの選手が大学や実業団のチームに所属するなか、元陸上選手で、コーチを務める父親の健智さんと二人三脚で練習に取り組み、シーズン中は毎週のようにレースに出場して、実戦を重ねるスタイルで力をつけてきました。

去年4月にプロに転向し、大手スポーツ用品メーカーのサポートを受ける新たな環境で活動していて、日本の女子選手としては異例となるケニアでの合宿を行うなど走りに磨きをかけてきました。

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