第71回春季東北地区高校野球岩手県大会(県高野連など主催)は26日、決勝と3位決定戦が東北ヒロセ野球場(宮古市)であった。花巻東が盛岡大付を破り、中止の2020年を挟んで春季県大会6連覇を果たした。3位決定戦は、大船渡が水沢商に競り勝った。花巻東と盛岡大付は6月に宮城県で開かれる東北大会に出場する。

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 春季県大会で初めて先発した背番号「10」が無失点に抑え、躍動した。

 3点リードの八回裏、花巻東の田崎晴大投手(3年)は1、2番に連打を浴び、2死一、二塁に。ただ、気持ちは切れない。「後ろに準備してくれている仲間がいる。思い切って投げよう」。インコース中心に投げ込み、中飛に打ち取った。

 決勝の登板を告げられたのは朝の練習中だった。「(背番号が)1番の葛西じゃなく、自分が決勝の先発に」と驚いたが、準備していたことを出し切ろうとマウンドに立った。

 相手は昨秋の県大会の初戦で敗れた盛岡大付。9回を一人で投げ切り、11三振を奪った。

 田崎投手は「練習では一球一球を丁寧に、全力で投げ込んできた。おかげで球速は上がり、劣勢でも粘り強く投げられた」と笑顔を見せた。佐々木洋監督は「空振りが取れるフォークや速いスライダーが特に強み。抑えてくれると信じて下げなかった」と話す。

 課題も見えてきた。打者を追い込んだ後、空振りを取れず、ボールを増やしてしまう場面があった。「夏は一戦一戦勝ち切れるように、全力で、丁寧に投げ込んでいく」。もちろん甲子園出場を目指す。(藤井怜)

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