大谷選手が出場する予定だったニューヨークでのメッツvsドジャースの試合は、雨で延期となりました。大谷翔平選手が所属するドジャースは、かつてニューヨークのチームでした。そのルーツを取材しました。
■かつては「ブルックリン・ドジャース」 ドジャースがニューヨークでも人気の理由
公園のグラウンドに響く野球少年の歓声。昔から変わらないニューヨークの風景です。ただ、いまの子どもたちのヒーローと言えば…
「ショウヘイ・オオタニ」
「彼はベリー・グッド!」
大谷効果で注目が集まるロサンゼルス・ドジャースですが、実はかつて「ニューヨークのチーム」でした。
ニューヨーク市公認の歴史家、ロン・シュワイガーさん(79)。自宅の地下室に貴重な資料を保管しています。
歴史家 ロン・シュワイガーさん
「ここが野球の部屋、ブルックリン・ドジャースの部屋です」
飾られているのはロサンゼルス・ドジャースの前身、「ブルックリン・ドジャース」のコレクションです。
ニューヨーク市のブルックリン地区は、文化の発信地として知られ、おしゃれな街として観光客にも人気のエリアです。
大谷選手が所属するドジャースは1883年、このブルックリンを本拠地とするチームとして誕生しました。もともとはニューヨークのチームだったのです。チーム名の「ドジャース」は、「避ける人たち」という意味ですが、これも、当時ブルックリンで見られた光景にちなんでいます。
歴史家 ロン・シュワイガーさん
「当時、球場周辺を路面電車が走っていました。路面電車を“よけて”集まるファンにちなんで“ドジャース”と名前が付きました」
「ブルックリン・ドジャース」は、黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン選手が所属したチームでもあり、ニューヨーカーの「誇り」でもありました。しかし、1957年球場の老朽化がきっかけとなり、およそ4000キロも離れたロサンゼルスに、突然、移転してしまったのです。
歴史家 ロン・シュワイガーさん
「まるで心臓を撃たれたような、家族が死んでしまったように感じました」
ドジャースの移転から67年。当時を知る人が減るなかで、スーパースターの大谷選手が加入。「ブルックリン・ドジャース」の存在にも再び光が当たっています。
かつてブルックリン・ドジャースの球場があった場所です。ロンさんも少年時代に足しげく通ったそうですが、いま大きなマンションが建っています。
歴史家 ロン・シュワイガーさん
「ここで見た憧れの選手のプレーは素晴らしい思い出です。ドジャースは移転したのではなく、旅に出たと思っています」
ニューヨーカーにとって“特別な存在”といえるドジャース。いわば“ふるさと”での試合で、大谷選手はファンの心にさらなる思い出を刻みこめるでしょうか。
■ドジャース対メッツ 雨天中止 翌日ダブルヘッダーに「ケガ」「水原被告」影響は?
井上貴博キャスター:
大谷翔平選手が出場する予定だった27日(日本時間28日)のドジャース対メッツ戦が、雨天のため中止となりました。試合は翌28日(日本時間29日)にダブルヘッダーで行われることになります。( 第1試合:日本時間29日 午前5時10分~、第2試合:第1試合終了の30分後)
雨天中止発表前、大谷選手は約13分間、メディアの取材に応じました。
▼“左太もも裏の打撲”については、「日に日に良くなってきているので、今日も昨日よりだいぶ感じは良い。(スイングの状態が)そこまで良くないが、軸足への影響はあまりない」
▼5連敗中のドジャース、打線の調子については、「時差もあるし、スケジュール的にきついところもあるので、チームとしての打撃の中で、繋がりという意味では少し難しくなっている部分はある。長いシーズンでもあるし、今日は今日で切り替えて頑張りたい」
▼「二刀流」の復活については、「球速は80マイル(約129キロ)くらいまで上がってきている。あまり焦ることなく、次のステップをしっかりと踏みたい」
▼水原被告の事件に関して、プレーに影響しないよう、どう対処しているのか問われると、「睡眠が足りなかったのが一番問題ではあったが、メンタルがプレーに影響するとは思っていない。そことグラウンドでやるべきことというのは、切り離してやりたいなと思う」としています。
ホラン千秋キャスター:
切り替えは得意でしたか?
元競泳日本代表 松田丈志さん:
得意というより、スキルとして求められるものです。例えば時差の影響で眠りが浅くなったり、長時間の移動で体が固まってしまうことがあります。それでもアスリートはベストを尽くすことが求められるんです。
大谷選手は睡眠を大事にされていますが、「睡眠をとれなくても、やることはやるんだ」ということではないでしょうか。
井上キャスター:
言い訳はしないということですね。しかし、メンタル面で落ち込むこともあると思うのですが…
元競泳日本代表 松田丈志さん:
大谷選手でもイチロー選手でも、例えば10回打席に立てば、7回くらいは打てないことがあると思います。そのたびに落ち込まず、切り替えてやっていくという能力を大谷選手は兼ね備えていると思います。
ホランキャスター:
トッププレーヤーになれば、切り替える能力は当たり前のように持っているということですか?
元競泳日本代表 松田丈志さん:
切り替えるためのきっかけ、引き出しをいくつか持っていると思います。
■大谷選手 “ジャンプ漫画” 審査員に 番記者が見た“マンガ愛”
集英社は27日、「週刊少年ジャンプ」の新たな漫画賞『ジャンプスポーツ漫画賞』の審査員を、ドジャースの大谷翔平選手が務めると発表しました。
審査員はほかに、▼アメフト漫画「アイシールド21」の稲垣理一郎さん、 ▼「SLAM DUNK」の井上雄彦さん 、▼「黒子のバスケ」の藤巻忠俊さんが就任するといいます。
ジャンプスポーツ漫画賞は「読者の人生を変えるようなスポーツ漫画の誕生を目指した賞」で、応募資格はプロ・アマ問わず、原稿枚数は15~55ページ、入選が賞金100万円で、大谷選手ら審査員4人が直接評価するそうです。
週刊少年ジャンプ編集部は「最高のスポーツ選手である、大谷翔平選手に審査員へ加わっていただきたいという、編集部たっての願いをご快諾いただき、参加の運びとなりました」と話しています。
スポーツニッポン MLB担当記者の柳原直之さんによりますと、大谷選手は「野球に全てを注ぐ中で、リラックス方法の一つが『マンガ』。日本ハム時代から、シーズンオフにはマンガを読みふけっていた」といいます。
大谷選手の愛読作品は「ハイキュー!!」「MAJOR」「ダイヤのA」などで、中でも“全巻所有”で、どハマりしているのが「SLAM DUNK」だそうです。なんと手書きでキャラクターを描けるほどだそうです。
SNSには様々な声がありました。
「スポーツ漫画賞審査って言っても、大谷さんスポーツ漫画よりすごいことしちゃってるし」
「現役アスリートさんのほうが、スポーツの真髄わかっているはずだから、色々コメント出来ることもあるのかもな」
「漫画みたいな人物、大谷さんがどういう漫画を選ぶのか、非常に興味深い」
ホランキャスター:
マンガを超えたような大谷選手が審査員になることで、これまで描かれなかった展開の漫画が認められるかもしれませんね。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
マンガを描く方もリミッターが外れてしまうのではないでしょうか。4名の審査員は、この方々に選ばれたら文句を言えないというメンバーですね。マンガを読みたいという気持ちも、次世代に貢献したいという気持ちもあるのではないでしょうか。
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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父
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