(1日、春季中国地区高校野球大会1回戦 倉敷商7―1崇徳)

 崇徳(広島)に1点差に詰め寄られての四回表。倉敷商(岡山)の先頭打者・妹尾大弥(2年)が二塁打で出た。次打者席に入った小林陽翔(はると)(2年)に、今大会の主将を務める広野利治(3年)が耳打ちした。

 「エンドランとスクイズ、どっちがいい?」

 前打者が走者を三塁に進めれば、自分が一番欲しい追加点のチャンスで打席が回る。

 「スクイズがいいです、と答えました。自分、スクイズは失敗したことがないので自信があったんで」。前打者が送りバントを決め、1死三塁で迎えた2球目。外角高めのボール球をうまく転がし、流れを引き戻した。

 左投手の小林は春の県大会では指先の負傷でベンチを外れており、公式戦での先発は昨秋の地区予選以来。梶山和洋監督は「コントロールはいいし、スライダーも切れる。すべてにおいて平均値以上のものを持っているが、経験値だけがちょっと。この大会でそこをなんとかしてほしかった」と起用理由を説明する。七回1死までを被安打4、1失点でしのいだ小林に対し「80点はあげたいが、まだまだこんなもんじゃない」と期待は高い。

 小林自身は「七回に集中力が切れ、先頭打者を(四球で)歩かせてしまった。もっとやりきれたかと思う」と反省を口にした。「でも、自分が悪くてもチームを勝たせられた。初戦ならではの緊張感をチームからなくせたかな」(大野宏)

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