ドジャース・大谷翔平選手(29)の1週間を振り返ります。
■久々ヒットも…いつもと違う?
日本時間の先月26日のレッズ戦、注目はナ・リーグ屈指の剛腕、グリーン投手(24)との対決です。第1打席は三振に抑えられ、迎えた第2打席は159キロ、160キロとストレートを続けてファウルに、パワーとパワーの対決になります。追い込まれると、スプリットを空振り三振。6回表、ここまで10打席ヒットが出ていない大谷選手はグリーン投手と3度目の対決となります。スプリットを捉え、レッズの本拠地「グレートアメリカン・ボールパーク」で初ヒットも、普段のようにぐんぐん、スピードに乗ることなく、3塁に到達。
実はこの試合の9日前(先月17日レッズ戦)、1塁への牽制(けんせい)球が大谷選手の足を直撃、左太ももの裏を打撲していて、その影響で全力疾走を回避していました。11打席ぶりのヒットを放つも、チームは今シーズン初の4連敗となりました。
■弾丸のような痛烈ヒット放つ
日本時間の先月27日も休むことなく出場すると、打球速度183キロ、ファースト強襲のヒットを放ちました。 一方、6勝目を狙う先発の山本由伸投手(25)は8つの三振を奪う力投を見せましたが、3回につかまり、5回4失点。およそ2カ月ぶりの黒星となり、チームは5年ぶりの5連敗です。次のページは
■気になる投手復帰&次回WBCを語る■気になる投手復帰&次回WBCを語る
ニューヨークに乗り込んだ日本時間の先月28日は、あいにくの雨で試合は中止となりましたが、大谷選手は屋根の下でキャッチボールをしていました。
報道陣の取材にも応じ、気になる足の状態について語りました。
大谷選手「日に日に良くなってきているので、きょうも、きのうよりだいぶ感じはいいかなと思います。スイング(への影響)はそこまでないかなと思います」
投手復帰へ向けたリハビリも順調だといいます。
大谷選手「距離を伸ばしながら球数が60球から70球に増えたりとか、先週60フィート(約18メートル)になったくらいなので、球速は80マイル(約129キロ)くらいですかね。そのくらいまで上がってきていると思います」
自身が目指す投手・大谷の姿についても口にしました。
大谷選手「けがをしてもしなくても、効率よく投げたいなっていうのは、けがの予防にもつながりますし。ただ、こればっかりはパワーピッチャーだとしょうがない部分ではあるので、ある程度割り切ってというか、パフォーマンスを下げないように。そこだけは注意してというか、自分自身であまり諦めないように、そのままの感じでいきたいと思います」
メジャーの強打者たちを剛腕でねじ伏せるあの雄姿を再び!ファンの皆さんも楽しみに待ちましょう。
さらに、2年後に迫ったWBCの開催地も決まり、出場への意欲を聞かれると、こう話しました。
大谷選手「出たいで、出られるところではないと思いますし。もちろん選んでもらえるように、そこのトップ層にまずはしっかりと居続けることが大事かなと思います」
■ダブルヘッダー、第1試合のみ出場
日本時間の先月29日はメッツとのダブルヘッダー。大谷選手は第1試合のみの出場でしたが、5打席立って、ノーヒットという結果になりました。試合はドジャースが延長戦を制し、連敗は5でストップ。
休養のため、大谷選手が欠場した第2試合も完封勝ちし、ダブルヘッダーを連勝しました。
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■監督の予言的中!?待望の14号HR■監督の予言的中!?待望の14号HR
日本時間の先月30日はメッツとのカード最終戦。
ロバーツ監督は試合前、「きょうはオオタニにとっていい日になるだろう。(前の試合)彼がスイングしている高さは良かったと思う」と言っていました。
予言めいた発言が飛び出す中、第1打席、レフト方向へ大きな当たり、ここはメッツの好守備に阻まれ左飛に倒れます。
5回の第3打席、得点圏にランナーを置いた場面では、インコースのボールをセンター前へ運び、6試合ぶりのタイムリーヒット。
球場の視線を一身に集める姿に現地の中継は、「ベースボール史上、最も写真を撮られている選手だね」と実況します。メッツのファンもシャッターチャンスは逃しません。
そして待ちに待った一発がついに出ました。10試合、46打席ぶりとなる14号。自身の日本人最多記録を更新する26球場目のホームランとなりました。レフト方向へ運んだアーチに指揮官は、こう話しました。
ロバーツ監督「1回に彼は強烈な打球を放ち、その後、同じように高く上げて逆方向に本塁打を打ちました。試合前に彼と話したが、いい球を振って打球が上がってきている。調子も上がってくるよ」
■ロバーツ監督、52歳の誕生日も…
日本時間1日は本拠地に戻り、ロッキーズ戦。
大谷選手は襟足がすっきり!伸びていた髪を切り、さっぱりした姿で登場しました。この日はロバーツ監督、52歳の誕生日ということで、2試合連続の一発で勝利をプレゼントしたい大谷選手ですが、今シーズンわずか1勝、ロッキーズのハドソン投手の低めにコントロールされた変化球に抑え込まれます。
ロッキーズの2番手は速球派のボドニク投手、真っ向勝負にフルスイング。160キロを振りに行くもファウル、結果はフォアボール。大谷選手はノーヒットに終わり、チームの連勝も3でストップ、ロバーツ監督に勝利を届けることはできませんでした。
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■古田解説 今季は「休養」明け好調?■古田解説 今季は「休養」明け好調?
今回は大谷選手の「休養」後の活躍について解説します。10試合ぶりの14号ホームランを打った先月30日、その前日はダブルヘッダーの2試合目を休養のため欠場していました。
そこで、今シーズンの大谷選手の休養明けの成績を見ていきますと、休養明けによく打っていることが分かりました。
日本時間の先月2日、今シーズン初休養、翌日は試合がありませんでした。すると、休養明けの4試合で15打数10安打8打点、ホームランは4本と大爆発でした。さらに、日本時間の先月13日には腰の張りで今シーズン2度目の休養です。すると翌日、2安打1打点1盗塁。15日の試合は3安打2打点、12号ホームランの活躍と絶好調でした。
古田敦也さんは選手も監督も経験されていますが、休ませ方はどういうふうに考えたらいいのでしょうか?
古田さん:日本の場合は大体6連戦で、月曜日から土曜日が多いんですけれど、アメリカの場合は10連戦、15連戦みたいなことがあります。やっぱり連戦が続くと、どっかで1日ぐらい休養を与えようみたいな感覚になります。
ただ、我々が見えてる日程だけじゃなくて、ベンチの後ろにトレーナーたちがいて、「きょうの大谷ちょっと調子悪いから、監督、抑え気味にいきましょう」とか、毎日報告されます。腰の張りであったり足の痛みであったり。大谷も生身の選手ですから、いつも万全じゃないので、そういうことが報告されています。そういうことを加味しながら監督はスケジュールを組んでいると思います。
ドジャースはそういう意味では、監督の采配がうまくいっていると?
古田さん:そうですね。ちょうどいいと思います。選手の立場からすると肉体的にも休めるが、精神的にもリフレッシュして、「よし、次の日は絶対打ってやるぞ」みたいに集中力が高まります。そういう意味で、心身ともにいい影響を与えて、今のところはいいんじゃないかなと思います。
(6月2日放送「サンデーLIVE!!」より)
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