知られざるオリンピックストーリー。今年のパリ五輪では、「52年ぶりのメダル獲得」が期待される日本男子バレーですが、その52年前、ミュンヘン五輪での金メダル獲得の裏側に、今では考えられない“仰天発想”を持つ、伝説の監督がいました。

「非常識の延長線上にしか世界一はない」

今から60年前、1964年の東京五輪。
“東洋の魔女”と呼ばれたバレーボール女子日本代表が金メダルを獲得。決勝戦の視聴率は66.8%!と日本中が熱狂しました。

実はこの時、バレーボール男子日本代表も銅メダルでした。
しかし世間の話題にもならず、オリンピックの祝勝会にすら呼ばれなかったのです。

そんな屈辱を受けた日本男子バレーが、ある人物の登場で激変します!

その人物とは、東京五輪の翌年、1965年に監督に就任した松平康隆氏。モットーは、「非常識の延長線上にしか世界一はない」
その言葉通り、松平監督は、常識に捉われない試みを次々と打ち出します。

その1つは、練習メニュー。
一見バレーとは関係なさそうな、連続宙返りにバック転など、アクロバティックな運動を練習に導入。ボールにひもをつけて回し、ジャンプでよけさせる、なんていうのまで。

これは、体の大きな選手でも素早い動きを身に付けるための練習でしたが、海外のメディアからは「松平サーカス」と揶揄されることも。

さらに、非常識とも言えるプロモーションも展開。
松平監督自らが企画し、スポンサーを集めてテレビ番組『ミュンヘンへの道』を作っちゃいます。

『巨人の星』や『アタックNo.1』さながらのスポ根アニメと実写を融合した、松平ジャパンのドキュメンタリー番組で、TBSのゴールデンタイムで毎週放送。
するとこれが大当たり!練習を公開すれば大行列ができるほど男子バレー人気に火が付きました。

今でも使われる“必殺技”を生み出した松平ジャパン

そんな松平ジャパンには、金メダル獲得のため新たな必殺技が数多く生まれました。代表的なのが、「フライングレシーブ」「一人時間差攻撃」「天井サーブ」の3つ。

▼ボールに飛び込んでレシーブをする「フライングレシーブ」

ジャンプすると見せかけて飛ばずに、タイミングをずらしてスパイクを打つ。ブロッカーもまんまと騙される必殺技。

▼仰天の「天井サーブ」

ボールを天井近くまで高くあげるこのサーブは、1990年代まで一世を風靡するほどの必殺技に。

そして、松平監督就任から7年後、1972年のミュンヘン五輪を迎えます。
金メダルをかけた集大成の舞台では、フライングレシーブで執念のボールつなぎ。そこに必殺技の数々がさく裂し、見事金メダルを獲得!
この時、松平監督は「8年間自分たちのためにやってきたことが、皆さんと一緒に喜んでもらえる男子バレーになった。それが本当に嬉しい

五輪出場さえもできない低迷期から世界ランク4位に

男子バレーではミュンヘン五輪以降も、川合俊一さんをはじめとする数々のスター選手が生まれました。しかし、オリンピックでのメダルはおろか、1990年代からは出場さえもままならない状況に…。

そんな日本に光をもたらしたのが、2014年、当時18歳で代表デビューした石川祐希選手(28)。

2023年には、世界のトップチームが参加する国際大会 「ネーションズリーグ」で銅メダル!国際大会では46年ぶりのメダルとなりました。
今年のパリ五輪出場権も獲得し、現在世界ランク4位!黄金時代復活の期待がかかる日本男子バレー。

日本代表キャプテン 石川祐希選手:
「メダル獲得を目標に自分の持っている全てをパリ五輪に懸けますし、それで結果をつかみたい」

4日から始まるネーションズリーグ・福岡ラウンドでは、世界ランク1位のポーランドはじめ、スロベニア(世界ランク5位)、ドイツ(同10位)、イラン(同16位)と対戦。この結果がパリ五輪の組み合わせに関係することもあり、注目されています。

安住アナがドヤ顔で披露したのは…

スタジオでは、日向坂46の松田好花さんが、松平監督の非常識な特訓”松平サーカス”について聞かれ、「やるのは怖いけど、これが見られるなら練習の見学に行きたくなっちゃう」と興味津々。

そして安住紳一郎アナからは、出演者にトリビアクイズが出題された。
「ちょっと内輪の話になるけど、バレーボールはテレビ中継との相性が非常に良いと言われています。その理由は何でしょう!」

これに対し吉村恵里アナは「点がバンバン入るからチャンネルを変えない!」。佐々木舞音アナは「ルールがわかりやすい!」などと回答するも、どれも不正解。

正解は、「スパイクが決まった瞬間の選手の顔が、正面からカメラで抜きやすいから」とのこと。
安住アナは、「サッカーとかだと動いちゃうでしょ。でもバレーボールは決まったあと比較的こんなふうに…」とドヤ顔でポーズを決めて解説。

「カッコいいところがカッコ良く映る」のでテレビ中継との相性がいいと話した。

(THE TIME, 2024年6月4日放送より)

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