阪神は6月7日~9日の西武戦で3連勝し、セ・リーグ2位に浮上しました。先発した3投手ついて、6月10日、能見篤史さんが振り返るとともに、交流戦ならではの「パ・リーグ投手のバント」に関しても解説しました。
ビーズリー投手は「日本に合っているのかなと思う」
―――3連勝した西武戦。いずれの試合も先発投手に勝ち星がついたのが非常に明るい材料ではないでしょうか。7日の先発・伊藤将司投手は7回1失点で3勝目です。能見さんは伊藤投手について『もっと良くなる』という見解のようですね?
「真っすぐの力は戻ってきましたけど、まだまだこんなものじゃない投手なので、ここから良くなってくると思います」
―――伊藤投手がしっかりとローテーションに入って活躍すると、阪神にとっては大きい?
「大きいですよ。もともと安定感のある投手なので。逆に、ファームに行ってて何をしているんだと」
―――8日はビーズリー投手が完投で3勝目。能見さんはビーズリー投手について『これからも期待大』ということですね?
「そうですね。日本をリスペクトしているというか、日本で学ぼうとしている姿がすごく見えるので、それが投球にもしっかり表れています。イライラすることもそんなにないので、そのへんの心構えっていうのは日本に合っているのかなと思いますね」
―――9回はビーズリー投手が志願して投げたそうですね。
「そうですね。アメリカではそういうの(志願して投げる)がなくて、『交代』と言われたらそのまま仕事が終わりですね」
2011年の中日戦で7回までヒットを許さなかった能見さん
―――そして9日は才木浩人投手が8回無失点で7勝目。能見さんは才木投手について『まだまだ(※期待を込めて)』だと?
「進化の途中です。ローテーションを1年間守ることによって、見える景色が変わると思うので、これを2年3年と続けていくと、また違う壁とかがいろいろ出てくる。まだまだ進化の途中です」
―――才木投手は8回1アウトまで無安打無得点。ノーヒットノーランまであと5人というところでした。実は、能見さんもノーヒットノーランを逃した経験があります。2011年8月9日の中日戦。ナゴヤドームで先発した能見さんは、8回に先頭打者の平田良介選手にレフト前ヒットを打たれてしまいましたが、7回までヒットを許さず、13奪三振。2回には自らタイムリーヒットを放ち、この1点を守り抜いた阪神が勝利した試合でした。何回ぐらいからノーヒットノーランを意識するのでしょうか?
「僕はノーヒットノーランをできると思ってないので…。逆に、『いつ打ってくれるんだろう』と思いながら投げていました」
―――当時、ベンチはどのような雰囲気でしたか?
「なぜかベンチの方が気にしだすので。声をかける人が少なくなっちゃうんですよ。逆にそっちのほうが…」
―――打たれたのはレフト前に落ちるヒットでした。
「ヒットはヒットなんですけど、打ち取ったと思っていたので…」
「パ・リーグでは基本、投手がバント成功してくれたらラッキーぐらいの感覚」
―――この西武との3連戦について、「投手のバント」に注目して振り返ります。8日、阪神のビーズリー投手は3回ノーアウト1・2塁の場面で一塁線にバントをしましたが、3塁フォースアウトで送りバント失敗。9日の才木投手は5回1アウト1塁の場面で、一発で送りバントを決めました。一方、西武は9日、渡邉勇太朗投手が3回1アウト1塁の場面で、スリーバント失敗となりました。
「バントが重要視されるんですよ、セ・リーグは特に。ビーズリー投手のノーアウト1・2塁の場面は、ピッチャーとしてはバントさせたくないですし、この場面は送るのが難しいです。タッチプレーではないので、打球をより殺したりしないといけないです。才木投手は1アウト1塁の場面で送りバントを決めるんですけど、ピッチャーからしたら2アウト2塁でも別にそこまでピンチではない。なので、そこまで『やらさない』っていうことでもないんですよ。逆に、やらしてアウトをもらうっていう手もある。でもね、パ・リーグの投手はほぼバントの練習しないです。交流戦の2週間前ぐらいからやっと始める段階なので、セ・リーグの投手は変化球を投げたりとかする。パ・リーグのピッチャーはそういったボールを見てないんで、バントできないですよ」
―――能見さんは、現役時代は正直、8番バッターに『打つな』と思うぐらいバントは気が重かったと?
「僕らも練習するんですけど、『決めてくれよ』っていう目もあって…難しいんですよ。バットに当たるんですけど、野手が100%成功してますかと言ったらそうでもないですよね。先発ピッチャーが週1回、実際に投げてもらうボールで練習してるかっていったら、してないですよ。練習はしていますけど、マシンのボールとかで練習している。ボールの質が違うんですよ」
―――パ・リーグのピッチャーは交流戦に向けてどれくらい準備しているのでしょうか?
「少しだけです。ずっとできたらいいんですけど、最初にすると、親指が動かなくなるんですよ、衝撃を受けるので。そこに慣れてなくて、これが投球に影響する可能性があるので、パ・リーグのチームは基本、投手がバント成功してくれたらラッキーぐらいの感覚。失敗してもぜんぜん怒られないです」
―――ビーズリー投手の話もありましたが、外国人投手はどれくらいバント練習をしているのでしょうか?
「日本に来たらしないといけないのでするんですけど、構え方を見た瞬間に、できるできないが僕らも見てたらわかるんですよ」
―――そして6月11日~13日は京セラドーム大阪で、阪神とオリックスの関西ダービーです。能見さんの注目は、阪神が村上頌樹投手、オリックスは西川龍馬選手のようですね?
「西川選手はやっぱり交流戦、調子が上がってきましたね。さすがです。村上投手も本当にいい投球しています。(最近は勝てていないですが)それでも我慢して投げてるって、すごいことですよ」
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