パリ五輪出場権をかけた最後の戦い、バレーボール・ネーションズリーグ。6大会連続出場を狙う眞鍋ジャパンにとっても、ラストチャンスだ。ここまで8試合を戦い6勝2敗の日本は、12日の韓国戦から最終週の福岡ラウンドがスタート。この予選ラウンド終了時の世界ランキングによって、五輪出場の残り5枠の行方が決まる。

「タフな試合が続く中でも、高く跳び続けられる、タフに一生動き続けられる身体を作ってネーションズリーグに臨みたい」。大会前にこう話していたのは日本代表の主将・古賀紗理那(28)だ。現在チームトップの161得点。全体でも3位につけていて、これは古賀が世界でも傑出した存在であることの証左と言える。

自身2度目の五輪出場を目指す古賀。初めてのオリンピックとなった21年東京大会は、初戦のケニア戦で負傷しまさかの途中退場。その後復帰したが、チームは予選ラウンド1勝4敗の全体10位という結果に終わった。「東京まで出し切るんだ、という気持ちで日々を過ごしてきたので、一回気持ちが切れた」というほど落ち込んだという。それでも2022年、パリ五輪に向けて結成された日本代表ではキャプテンを任された。「パリ五輪の切符を取るというのが一番で、いかにそれぞれが意識を高く普段から練習するかというのが、大切なところで勝ち負けに繋がってくる」。この3年間、代表練習の中でも厳しい雰囲気作りをするよう意識してきた。

自身としては、ジャンプ力向上を目指し、ジャンプフォームの改良に取り組んできた。所属するNECの里大輔コーチ指導の下、体幹トレーニングと走り込みを地道に続けてきた。

そんな古賀の取り組みを間近で見てきた日本代表のリベロ・小島満菜美(29)は「一緒にやっててもすごいと思う。スパイクで跳ぶ時の打点が高いから、ブロックの上からアタックを打てる。すごく進化している」と驚きを隠さない。里コーチが「体感的には(ジャンプの高さは)ボール1個分くらい上がっていると思います」と話すように、古賀自身も「めっちゃ跳べる。高く跳んだからこそ視野が広くなった。空中で考える余裕が出来た」と手応えを感じている。

22年に結婚した夫・西田有志は、男子バレーボール日本代表として既にパリ五輪への出場を決めていて、夫婦でパリ五輪への出場を目指す。古賀は「今、自分の成長を一番自分が楽しんでいて、常に成長したいし、誰も追いつけないぐらいうまくなりたいなって常に思ってやってます」と意気込みを語っている。

前回の東京五輪の雪辱を果たすべく、パリオリンピック出場権獲得は古賀にとって至上命題だ。「今自分自身気合が入っていて、自分たちより上のチームをどんどん食っていくのが目標。自信を持ってパリ五輪に行けるようにしたい」と静かに闘志を燃やしている。

【日本の五輪出場権獲得条件】
日本が出場権を獲得するには、予選ラウンドが終わった時点の世界ランキングが、アジア・オセアニア地域で最上位、または出場権未獲得の国のうち上位3位以内に入る必要がある。第1週のトルコと第2週のマカオ、計8試合を終え、日本は6勝2敗。世界ランキングは6位で、現時点でアジア最上位につけている。

■古賀 紗理那(こが・さりな)
1996年5月21日生まれ、佐賀県出身。1m80cm。熊本信愛女学院高卒業。NECレッドロケッツ川崎所属。13年日本代表初選出。15年ワールドグランプリで国際大会デビュー。21年東京五輪10位。国内Vリーグで23年、24年MVP受賞。22年から日本代表のキャプテンを務める。22年に結婚、夫は男子バレー日本代表の西田有志。

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