パリ五輪の切符を懸けた最後の戦い、ネーションズリーグ女子大会は、いよいよ予選ラウンド最終週の福岡ラウンドが開幕し、日本は12日に韓国との初戦を迎える。福岡・北九州市と香港で行われている予選ラウンド終了時の世界ランキングで、パリ五輪の出場権争いがついに決着する。
6大会連続の五輪出場を目指す日本は、第2週終了時点で通算成績を6勝2敗とし、世界ランキングでアジア最上位の6位。今大会の解説を務め、2012年ロンドン五輪銅メダリストの竹下佳江さん(46)にパリへの大一番、福岡ラウンドのカギを聞いた。

新夕悦男TBSアナウンサー:竹下さん、(第2週マカオラウンド第3戦の)中国戦は3‐1で快勝しました。その後、(第4戦のドミニカ共和国戦は)苦しんでの勝利(セットカウント3‐1)でしたね。

竹下さん:なんか本当に熱くって、いい試合したねっていうその次の試合って結構もつれることが多いんですよ。

新夕アナ:それもバレー“あるある”?

竹下さん:なんか結構“あるある”で。でも自分たちも「絶対次の試合もいい形に持っていきたいね」っていう話は絶対するんですよ、準備もするし。でもなんですかね、苦しんじゃうの。全然自分たちでは苦しみたくもないのに。そういう展開になっちゃうというか、でも、ドミニカ共和国に勝ち切ったのは大きいと思いますよね。

新夕アナ:ちょっとね、もう、ともすればフルセットで負ける可能性だってある、それぐらいの・・・

竹下さん:そういう展開でも、おかしくなかったですよね。そう考えると(セットカウント)3‐1で勝ったのは大きいですよね。

新夕アナ:第3セットはリードを取ってましたけど、追いつかれてそっから勝ち切れた。第4セットは8点差を大逆転して勝ち切った。追いつかれて勝った、逆転して勝った、ちょっと違いますけど、「取れた」ってとこですね。追いつかれてから。

竹下さん:普通のバレーの展開で言ったら、あの点差ってなかなか寄せれないし、見てる方からしたら、見てる方からしたら「もう厳しいよね」って言って、チャンネルを変えるっていう展開が多いじゃないですか。でも変えないで「変えないでよかったね」っていう試合じゃないですか。

新夕アナ:(笑)そうですよね。

竹下さん:だからそれはやっぱり選手たちが、諦めなかった。「絶対にオリンピック行きたいんだ」っていう思いが、こういう形になったのかなと思いますね。

新夕アナ:6大会連続のね、オリンピック出場をかけて戦うわけなんですけれども「オリンピックに行けなかった」というのは竹下さんも経験をされてますけど、そういう気持ちをみんなに味わってもらいたくないですからね。

竹下さん:味わってもらいたくないですし、本当に最高の舞台でみんなには輝いてほしいなと思いますし。ただね、やっぱり本当にオリンピックの出場権を取るって厳しいんだなっていうのを選手たちも改めて痛感してると思いますし、それを取り切ったとき、選手たちのさらなる強さに繋がっていくんじゃないかなと思います。

新夕アナ:確かにロンドンオリンピックで銅メダルを獲得されましたけれども、あのときの予選も結構しんどかったですもんね。

竹下さん:いや~なかなかね、ハードでしたし。なんかオリンピックの方が楽だなって本当に思うくらい「こんなに出場権を取るって大変なんだな」っていうのを、何回も経験してるのでそういった意味ではもう選手たちに輝いてほしいなと思います。

新夕アナ:これだけ苦しんで出場権、次は福岡ラウンドで全てが決まるわけです。

竹下さん:福岡で決まるんだって思うと楽しみですし、何か選手は多分プレッシャーかかってるとは思うんですけど、いやもう本当にやり切って取り切ってオリンピックで輝いてほしいなと思います。

パリ五輪出場権争いがついに決着

新夕アナ:女子は福岡ラウンド6月12日から始まって韓国戦、13日がカナダ戦、15日土曜日がセルビア戦、16日の日曜日はアメリカ戦。一つカギになってくるのはどこでしょう。

新タアナと竹下さん

竹下さん:もちろんやっぱり初戦の韓国ですよね。ここで絶対的な日本バレーを見せてほしいなと思います。

新夕アナ:韓国に1セットでも取られると、(ランキング)ポイントが、あまり取れないですし、ランキングが変わっちゃいますからね、(翌日の)カナダは直接、(五輪出場権を)争ってる相手でもありますよね。

竹下さん:そうなんですよ。なかなかね、カナダってそんな聞かないなって思う方もいらっしゃると思うんですけど、強いです。なのでやっぱりしっかり勝ち切って、最後繋げたいなと思います。

新夕アナ:最後はですね、福岡にたくさんのファンもいらっしゃると思います。竹下さん、今年の眞鍋ジャパンの「ここを見てください」お願いします。

竹下さん:いやもうここまで本当にいろんな選手が出ながらも、チーム一丸となって戦ってる姿って、皆さんに感動を与えてくれてると思いますし、福岡・北九州ラウンドもさらにいい、チームのバレーが見えるんじゃないかと思います。ぜひ応援していただきたいなと思います。

新夕アナ:しっかりみんなの力になるように我々も願って背中を押していきたいなと思います。

【日本の五輪出場権獲得条件】
日本が出場権を獲得するには、予選ラウンドが終わった時点の世界ランキングが、アジア・オセアニア地域で最上位、または出場権未獲得の国のうち上位3位以内に入る必要がある。第1週のトルコと第2週のマカオ、計8試合を終え、日本は6勝2敗。世界ランキングは6位で、現時点でアジア最上位につけている。

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