ドジャース・大谷翔平選手(29)の1週間を振り返ります。
2試合連続となる16、17号ホームランを放った大谷選手。
過去に2度、6月に月間MVPを獲得した「ミスター・ジューン」はここから調子を上げていくのでしょうか?
野球解説者の古田敦也さんが解説します。
■ヤンキース戦…46年ぶり大勝
日本時間9日、ともに地区の首位を走るドジャースとヤンキース。ワールドシリーズ前哨戦とも言われる3連戦第2ラウンドです。
大谷選手はチャンスで迎えた3回の第2打席はレフトへ、12打席ぶりのヒットは勝ち越しタイムリー。そのウラ、ヤンキースは3番ジャッジ選手(32)のメジャートップの22号ソロホームランで同点に追いつきます。
その後ドジャースが2点をリードし、迎えた8回、大谷選手の第4打席はセカンドのエラーで出塁すると、1アウト満塁となり、5番テオスカー・ヘルナンデス選手(31)。打球は高々と上がり、勝利を決定づける満塁ホームラン。ヤンキースから46年ぶりに2桁得点を挙げたドジャースがこのカード、連勝を飾りました。
■ジャッジとの“足vs肩”対決
試合前にインタビューを受けた日本時間10日、メジャー屈指のスラッガー・ジャッジ選手(32)について聞かれると、こう答えました。
大谷選手「デカいなと思います。毎試合、毎年見てますけど、見慣れないサイズ(身長201センチ)ですし、それだけで印象的。打席でも、きのうもそうでしたけど、どういう点差でもどういう状況でも、自分のバッティングを崩さずにやっているのは印象的というか、見ていて勉強になる」
前日の試合、ドジャースに大量リードを許す中、9回に23号を放ったジャッジ選手の姿に刺激を受けていました。
まずはヤンキースのジャッジ選手、センターへのタイムリー2ベースでファンも大いに沸く中、大谷選手は室内でバッティング練習をしていました。準備を整えて8回の第4打席、内角のストレートに詰まりながらも、打球は大谷シフトでガラ空きの三塁線を破り、2ベースヒット。
この後、3塁へ進んだ大谷選手の足と、ライトを守るジャッジ選手の肩の対決。打球はライトのジャッジ選手の元へ。ジャッジ選手の球速150キロのバックホームも、大谷選手の快足が勝りタッチアップで生還。ドジャースが1点差に詰め寄ります。しかし、そのウラでした。ジャッジ選手がメジャートップを独走する24号!最終戦はヤンキースの勝利で幕を下ろしました。
8回のタッチアップ対決について、ジャッジ選手はこう振り返ります。 ジャッジ選手「彼は足が速いから、正確な送球をしないといけなかった、彼は走ると分かっていたから。153キロを投げることができたら、チャンスがあったかもね」
「(Q.50%の確率でタッチアウトにできると思ったか?)いや100%だよ、アウトにするつもりだった。次の対戦ではアウトにしたいね」
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■大谷は16号HR ドジャースは最多タイ記録■大谷は16号HR ドジャースは最多タイ記録
日本時間12日からは去年のワールドシリーズ王者、レンジャーズと3連戦。
1回、フォアボールで出塁すると、今シーズン15個目の盗塁に成功。
この後、1塁2塁となり、4番スミスの打球はレフトへ。ボールはフェンスに当たった後、レフトのグラブが押し込む形になり、3ランホームランで先制します。
6回の第4打席では、大谷選手に5試合ぶりの一発!打った瞬間、打球を見ながら確信歩き。本拠地ではおよそ1カ月ぶりとなるアーチにファンも総立ちです。これでリーグトップと2本差になります。大谷選手のホームランを皮切りに、3番フリーマン選手(34)は左中間へ9号ソロ、さらに5番テオスカー・ヘルナンデス選手が17号2ラン。大谷選手を1本リードし、単独2位に浮上します。さらにさらに、8番ヘイワードにも一発が飛び出し、球団史上最多タイとなる1イニング4本のホームラン。
今シーズン最多の15得点で大勝です。
■“お得意様”相手に2試合連続の17号
日本時間13日は大谷選手にとってお得意様との対戦。レンジャーズの先発グレイ投手(32)に対して通算10打数4安打、2ホーマーとよく打っているんです。
1球もスイングすることなく迎えたフルカウントからの6球目でした。甘く入ったスライダーを一振りで仕留め、これでリーグトップへ1本差に迫ります。一方、このままでは終われないワールドチャンピオン・レンジャーズ、チャンスでワールドシリーズMVPを2度獲得のシーガー選手(30)。痛恨の3ランを浴び、逆転負けを喫しました。
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■大谷「(バッティング)もっと上げられたら」■大谷「(バッティング)もっと上げられたら」
日本時間14日は3打席ヒットなしで迎えた8回、一発が出れば逆転の場面で、空振り三振、5試合ぶりのノーヒットに終わり、チームも連敗です。
前日まで2戦連発も、これまで2度、月間MVPに輝いた6月でなかなか調子が上がらないバッティングについて質問が飛びました。(6月の成績 打率.191 3HR 6打点 ※14日終了時点)
大谷選手「バッティング自体は浮き沈みありながら、シーズンが経つにつれて合ってくると思うので。4月の後半、5月は打っていましたけど、バッティングの感覚としてはすごくいいなという感じではなかったので。これからもっともっと上げていけたら、数字も、もちろんですけど、内容的に感覚的にもっと上げられたらいいのかなと思います」
■8試合ぶりのマルチヒット
そして、日本時間15日のロイヤルズ戦。
4回の第2打席、低めのスライダーをライト前に打ち返し、これがチーム初ヒット。6回の第3打席では、カットボールをセンター前へ、8試合ぶりのマルチヒットとなりました。さらに8回には一打、勝ち越しのチャンス。ここはショートフライに倒れます。
それでもこの後、3番フリーマン選手がセンターへ決勝タイムリーを放ち、ドジャースは連敗ストップです。
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■古田解説「ピッチャーも疲れが出てくる時期」■古田解説「ピッチャーも疲れが出てくる時期」
“6月男”大谷選手について、古田敦也さんと見ていきます。この1週間、大谷選手は2本のホームランを放ち、リーグトップと2本差の2位タイとなっています。
古田さん:6月に入ってちょっと調子を落としている感じですが、本人も言ってたように浮き沈みありますから大丈夫じゃないですかね。
(Q.野手の正面にいくことが多いような)
そういうこともありますよね。これだけ毎日、走り回っているので、体の張りとか疲れもあるかもしれないですね。
(Q.開幕して3カ月ぐらい過ぎたが、この時期は選手として一番疲れが出てくる時期?)
言い方かえると、ピッチャーも疲れが出てきて、ちょっと落ちてくる時期でもある。だから、バッターとしては打ちやすいという人もいるんで、やってくれますよ!シーズン長いんで、逆に楽しみにしてください。
リーグ変わったので新しいピッチャーと出会うことも多いということもあって、これからどんどん慣れてくるはず、良くはなっていくと思います。
(6月16日放送「サンデーLIVE!!」より)
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