35年間にわたり率いた履正社(大阪)で甲子園に春夏計13回出場し、2019年夏には全国制覇を果たした岡田龍生監督(63)は母校の東洋大姫路(兵庫)に戻ってきて3年目を迎えた。

 監督の任は恩返しの思いで引き受けた。「高校生の頃は気づかなかったけれど、姫路には東洋大姫路を応援してくれる人が多い。大きな期待を背負っている」

 兵庫の高校野球について「バントや盗塁、スクイズなどを駆使して、大阪よりも細かい野球をする」と話す。

 指導方針は履正社の時と変えていない。「打たなければ勝てないけれど、打撃は野球の中では最も確率が低い」と話し、守備、走塁、バントの三つの技術向上を図る。それと並行して基礎体力づくりに力を入れる。「『三つの技術』と『基礎体力』の両輪をしっかりとさせたうえで、打撃の強化ができる」と説明する。

 就任から3年目になり、「選手たちが僕の考えを少しずつ理解してきた」と感じる。今春の県大会では、選抜大会で準優勝した報徳学園を5―1で破った。エース阪下漣投手(2年)は岡田監督について「試合の勝ち方をよく知り、的確なアドバイスをしてくれる。監督の言うことを意識すれば、もっと勝てるチームになれると思います」と話した。

 東洋大姫路は1977年夏の甲子園で優勝している。岡田監督は「以前は『夏の東洋』と言われていたけれど、今はすでに忘れられている」という。夏は2011年以来、甲子園から遠ざかっている。「『夏の東洋』を復活させたいです」。

 今夏の兵庫大会では13日に初戦を迎える。(森直由)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。