6月23日、片足に義足をつけた少年は地元神奈川の高校生のスイマーたちが集う、神奈川県高校総体水泳競技大会の舞台に立っていました。

 川渕大耀は夢であったパリパラリンピックの出場を控えている15歳。先天的に左足に障がいがあり小学生の時に切断手術を受けています。そんな川渕は今年の3月、初めてパリパラリンピックの出場権を獲得しました。

 パラ水泳選手団の最年少である川渕は昨年から急激に成長をみせ昨年末、初代表に選ばれると、アジア新記録を樹立。まさに「日本パラ水泳界のホープ」です。川渕は身長179cmの恵まれた体格を生かした大きな泳ぎが特徴。
左足切断という特性があるため自身で短距離ではなくパラ種目では長距離で持久力を生かせる400m自由形をメインとしています。

 そんな川渕は今春から高校に入学。川渕の通う岸根高校に水泳部はありませんが先輩と二人高校の名前を背負い、「他のスイマーたちと競るレースがしたい」と同世代の健常の選手たちが集う試合に出場を決意。

 レース前には「自己ベスト(4分20秒63)をこの大会で切りたい。そのために前半からしっかりキックをいれて泳ぎたい」と意気込みを語ってくれました。

 そしてこの日出場したのは本命種目の400m自由形。川渕は3組目の2レーンで泳ぎます。実は前日、1500mで1分以上と大幅に自己ベストを更新した川渕。「調子が良すぎて逆に緊張しました」とすこしこわばった表情に。

 レースは前半7位で折り返します。「隣の1レーンが凄い速くて、3レーンが逆におそくてなかなか自分の泳ぎができなかった」と話していましたが、
後半しっかりと上げてタイムは4分20秒95で組6位。パーソナルベストに0秒32遅れるタイムでのフィニッシュとなりました。

 31人出場の中で16位と健常の選手たちにも見劣りしなかった川渕。それでも本人は「後半今回は余裕を感じられたもっと絞ることができたと思うから悔しかった」とあと少しで自己ベストというタイムに悔しさをにじませました。

 来週のレースでは400m自由形1本に絞っている川渕。「パラリンピックでは4分16秒台がないと戦えない。アジア新を必ず更新してパラリンピックに出場する。20秒切るのは来週です」と力強く話してくれました。

 ちなみに川渕、学校の中間テストは来週…「まあまあです」と苦笑い。高校生としても成長中です。

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