第106回全国高校野球選手権秋田大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)の組み合わせ抽選会が24日、秋田市の秋田中央の大講堂で開かれ、六校連合を含む38チーム(43校)が出場するトーナメントが決まった。7月7日の開幕まで約2週間。甲子園への切符をかけた戦いの当面の相手がはっきりして、主将たちの表情が引き締まった。

 会場には各校の主将らが集まった。本抽選は最初、シードされる春の県大会の8強がくじを引いた。シード校が各ブロックに散ると、そのほかの30チームが札を選び、トーナメント表が次々と埋まっていった。

 昨夏の代表で春を制した第1シードの明桜は、いきなり昨秋の県大会優勝の金足農とぶつかる。2015年以来の甲子園を狙う昨夏準優勝の秋田商は大館国際との顔合わせ。第8シードの本荘と秋田の一戦も伝統校同士の好カードだ。3校が統合した新加盟の鹿角は、14年に夏の甲子園に出た角館との対戦となった。

 選手宣誓は14人の主将が立候補し、組み合わせの本抽選前に決定抽選が行われた。大役を担うことになったのは六郷の高橋寿史主将。「人前に出るのが苦手な性格なので、直したいと思って立候補しました。38チームの代表として、しっかり宣誓したい」と抱負を話した。

 大会は、7月6日に開会式が、さきがけ八橋球場で行われ、7日から試合開始。決勝は19日に予定されている。

 この日、本抽選に先立ち、朝日新聞社と日本高野連が贈る育成功労賞を受けた秋田修英の鈴木寿宝監督の表彰伝達式も行われた。

 また、日本高野連が全国の加盟校に3本ずつ配布している低反発の新基準の金属製バットの残り1本がこの日、配られた。(隈部康弘)

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 なかなか決まらなかった明桜の対戦相手を金足農が引き当てると、会場がざわついた。大会2日目にして屈指の好カードだ。

 2連覇がかかる明桜の黒井良汰主将は「もしかして、くるかなと思っていた。先取点を取って勢いに乗りたい」と早くも試合モードに。金足農は吉田大輝選手ら好投手が注目されているが、「バットが(低反発に)変わっても関係ないぐらいパワーはついた」と自信をにじませた。

 昨秋の県大会を制しながら今春は初戦敗退し、ノーシードの金足農。高橋佳佑主将は明桜との対戦が希望通りだったといい、「うれしくて気持ちが高ぶる」。チームは常に明桜を意識した練習に打ち込んできたという。「明桜を倒さないと甲子園はない。初戦は万全の状態で当たれるのでよかった」と、闘志をみなぎらせていた。(隈部康弘、滝沢隆史)

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 南北約80キロ、東西約60キロのエリアに点在する六校連合。男鹿海洋と羽後は直線距離で約90キロも離れている。

 毎週土日の貴重な合同練習で何より大切にしてきたのはコミュニケーション。そろいのユニホームではないが、「一体感を持てるチームワークは培ってきた」と西仙北の金一樹(いつき)主将。

 その西仙北は選手3人全員が3年生。引退とともに「休部」となってしまう。金主将は「仲間とできるだけ長く野球がしたい。そのためにもまず1勝」と力を込めた。(阿部浩明)

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 4月に花輪、十和田、小坂の3校が統合して開校した鹿角。初めての夏は、第6シードで挑む。

 今春の秋田県大会では、甲子園出場経験がある能代などを撃破し、堂々の8強進出を果たした。湯沢慶俊主将(3年)は「3年生は3人しかいないが、2年生をまとめ上げてチームを盛り上げてきた。一戦必勝で戦い、甲子園出場をめざす」と意気込んだ。(滝沢隆史)

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