パリオリンピックで女子ゴルフは60人が出場し、6月24日時点の世界ランキングに基づいてそれぞれの国と地域で原則2人まで、上位15位以内に入れば、最大4人までが出場権を獲得できます。

国際ゴルフ連盟は25日、公式ホームページで出場権を獲得した60人のリストを発表しました。

それによりますと、日本からはことしの全米女子オープンで日本選手で初となる2回目のメジャー制覇を果たした世界ランキング10位の笹生選手と、国内ツアー2年連続年間女王で今月の全米女子プロ選手権で2位に入った世界19位の山下選手の2人が入りました。

代表に内定すれば、笹生選手は母親の母国であるフィリピン代表として出場した東京大会に続いて2大会連続、山下選手は初めての出場となります。

海外勢では、東京大会の金メダリストでことしのアメリカツアーで6勝を挙げるなど圧倒的な強さを見せているアメリカのネリー・コルダ選手、今月の全米女子プロ選手権を制した韓国のヤン・ヒヨン選手などが入りました。

山下美夢有「優花と2人で一緒に頑張りたい」

パリオリンピックの出場権を獲得した山下美夢有選手が25日夜、関西空港で報道陣の取材に応じ「特別な大会でなかなか出られないと思うのですごくうれしい気持ちだ」と心境を語りました。

山下選手は、今月行われた海外メジャー大会の全米女子プロ選手権で2位に入り25日夜、関西空港に到着しました。

空港で報道陣の取材に応じた山下選手はパリオリンピックの出場権を獲得したことについて「全米女子プロで、1日1日しっかりプレーすることを意識して、結果を出せてよかった。オリンピックは特別な大会でなかなか出られないと思うのですごくうれしい気持ちだ」と率直な心境を笑顔で語りました。

また同世代の笹生優花選手も出場権を獲得し「コンディションを整えて、日本代表として優花と2人で一緒に頑張りたい」と意気込みを話していました。

笹生優花選手とは

笹生優花選手は東京都出身の23歳。日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれ、8歳の頃、世界の舞台で活躍する宮里藍さんらに憧れて競技を始め、練習環境を求めてフィリピンに渡りました。

父・正和さんとともに親子でプロを目指す中で、反復横跳びや野球のノックなど厳しいかつ独自のトレーニングを重ね、ゴルフの技術だけでなく体力面も鍛えてきました。

持ち味は体幹の強さを生かした高さと飛距離が出る力強いショットです。

今シーズンのドライバーの平均飛距離は日本勢トップの267ヤードで、アメリカツアーの中でも上位に入っています。

さらに子どもの頃から多くの国のゴルフ場でプレー経験を積んだことで、状況に応じて巧みにショットを使い分ける器用さもあるなどマネジメント能力の高さにも定評があります。

アマチュアではフィリピン代表として出場した2018年のアジア大会で優勝し、2019年には男子の海外メジャー大会、マスターズ・トーナメントと同じ会場で行われる世界大会で3位に入るなど頭角をあらわしました。

日本では2020年、19歳でプロデビューして2戦目でツアー初優勝を果たすと3戦目も勝って2連勝するなど一気にトップ選手として活躍し始めました。

そして2021年には女子ゴルフの世界最高峰、海外メジャー大会の全米女子オープンで史上最年少の19歳で初優勝する快挙を成し遂げました。

同じ年に行われた東京オリンピックには、母の母国であるフィリピン代表として出場して9位に入りました。

その後は日本国籍を選択し、アメリカを拠点に海外ツアーに本格参戦して、ことし6月の全米女子オープンでは日本選手初の海外メジャー2勝目を挙げ、世界ランキングで日本勢のトップに立っていました。

山下美夢有選手とは

山下美夢有選手は大阪府出身の22歳。次々と新星が誕生している日本の女子ゴルフ界では2001年度生まれの「新世紀世代」とされ、国内ツアーを代表する選手です。

身長1メートル50センチと小柄ながらも、ショットの精度とパッティングの安定感が光り、勝負どころで勝ちきる精神的な強さも兼ね備えています。

5歳で競技を始め、高校3年生のときに全国高校選手権で優勝し、2020年にプロに転向すると、よくとし、国内ツアー初優勝を果たしました。

2022年には国内ツアーでメジャー大会2勝を含む5勝を挙げて史上最年少での年間女王となりました。

このシーズン、年間の平均ストロークは60台と日本人選手では初の快挙を達成し、年間の獲得賞金も2億3500万円余りと史上最高を更新しました。

そして、2023年も5勝を挙げて2年連続の年間女王となるなど国内ツアーで圧倒的な強さを見せています。

今シーズンはパリオリンピック出場を目標に掲げてアメリカツアーにも参戦を続け、6月の海外メジャー大会「全米女子プロ選手権」で自己最高位の2位に入るなど世界ランキングで日本勢の2番手に付けていました。

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