パリオリンピック開幕まで、およそ1カ月と迫ってきました。
5度目のオリンピックに挑む、カヌー・スラロームの羽根田卓也選手(36)。2大会ぶりのメダルを目指し、すごい武器があるんです。
■5大会連続“五輪に呼ばれている証拠”
今回エールを送るのは、カヌー・スラロームの日本代表、羽根田卓也選手。
2016年のリオオリンピックでは、アジア人初となる銅メダルを獲得した、日本カヌー界の第一人者です。今回、5大会連続のオリンピックに挑みます。
羽根田選手「5大会目というのは、なかなか重ねられる回数じゃないと思います。自分が“オリンピックに呼ばれている証拠”なんじゃないかなと思って、うれしかったですね」
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■頭だけでクルっと「リスキーターン」に注目■頭だけでクルっと「リスキーターン」に注目
そんなレジェンドが磨く、エールポイントが「リスキーターン」。一体どんな技なんでしょうか?
羽根田選手「リスクをとったターンですね。リスキーターン」
スラローム競技は、上流から下流に流れに沿ってくぐるダウンゲートと、流れに逆らって通過するアップゲート、これらを通過したトータルタイムを競います。なかでも、流れに逆らうアップゲートがポイントだといいます。
羽根田選手「アップゲートが特にタイム差がついたり、ロスもしますし稼げたりもできる。アップゲートを通る時に大回りではなく、ギリギリを通るターンを今トライしています」
これまでの羽根田選手は、アップゲートを通過する際、体全体を通していましたが、リスキーターンは頭だけでクルっと通ります。
体をのけぞりながら、ゲートぎりぎりを通るリスキーターンは、これまでと比べておよそ0.3秒縮められるのですが、その名の通り、リスクがあるんです。 羽根田選手「頭が通らないと不通過をとられてしまって50秒加算されてしまいますし、顎がかすると接触をとられて2秒加算されてしまう。リスクはあるけど、0.1秒、0.01秒稼いで順位を上げることができる。本当にハイリスク、ハイリターンの技です」
リスキーターンが特に光ったのが、去年のアジア選手権。パリオリンピック代表をかけた最後のチャンスで2位に1秒差をつけ、優勝!パリへの切符を勝ち取りました。
羽根田選手「やはり誰よりもオリンピックに向き合ってきた自負がある。リスキーターンを駆使してパリオリンピックではできるだけ高いところを目指してやりたいと思います」
(「報道ステーション」2024年6月25日放送分より)
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