NBAは17日、ラプターズのポーター選手がスポーツ賭博をめぐり八百長行為を行ったとして永久追放の処分にしたと発表しました。

それによりますと、ポーター選手は、ことし3月に行われた試合で体調不良を理由に3分しかプレーしませんでしたが、この試合前に自分の体の状態を賭博を行う第三者に対して伝えたということです。

そして、別の人物がその試合でポーター選手の個人成績が一定よりも下回るという予想に8万ドルを賭けて、払戻金が110万ドル、日本円でおよそ1億6900万円にのぼりましたが、スポーツ賭博の監視団体が異常な掛け金に気付いたため、払戻金は支払われませんでした。

NBAは調査の結果、ポーター選手が賭けに影響を与えることを目的に出場時間を制限したと認定しました。

さらに、ポーター選手はことし1月から3月にかけてラプターズの試合に少なくとも13回賭け、およそ2万2000ドル、日本円でおよそ330万円の利益を得ていたことも分かったということです。

この時期にポーター選手は2軍にあたるNBAの下部リーグでプレーしていたため、賭けた試合に出場していませんでしたが、NBAの選手は合法であってもNBAの試合でスポーツ賭博を行うことは禁止されていて、こうした違反を理由にNBAはポーター選手を永久追放処分としました。

今後は捜査当局とも情報を共有しながら追加の調査を進めるとしています。

アメリカのプロスポーツ界では大リーグ、ドジャースの水原元通訳が関わった違法賭博問題に続き、スポーツ賭博に関わるスキャンダルが相次ぐ事態となっています。

アメリカ スポーツ賭博合法化で収益拡大も検証必要か

NBAのアダム・シルバーコミッショナーは声明を発表し、「ファンやチーム、すべての関係者のためにこの競技の尊厳を守ること以上に大切なことはない。だからこそ、ポーターの明らかな違反行為に対しては最も厳しい処分が下された」としました。

アメリカでは2018年に州の判断でスポーツ賭博を合法化できるようになり、現在は全米50州のうち38の州で認められています。

合法化によって州にとっては税収が増えたほか、リーグ側もスポンサー収入の増加などで収益を拡大してきましたが、一方で、賭ける人が違法のスポーツ賭博に移行するケースや、依存症に陥るリスクが増えているという指摘もあります。

シルバーコミッショナーは声明で「合法のスポーツ賭博は疑わしい行為や異常な行為を特定するのに役立つ一方で、選手や試合に対する現在の賭けの枠組みが十分なのかという重要な問題も提起している。業界全体のすべての関係者と緊密に協力し、リーグを守るために真剣に取り組んでいきたい」として、試合の勝ち負け以外に個人成績などにも細かく賭けることができる現在の仕組みについても検証する必要性を示しました。

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