世界大会では47年ぶりの銀メダルを獲得したバレーボール男子日本代表。激闘を終えたばかりの石川祐希選手、高橋藍選手、西田有志選手、山本智大選手の4人に、ネーションズリーグのことを根ほり葉ほり聞きました。
■「悔しい気持ちは間違いなくオリンピックで返せる」
高柳光希キャスター:
1日の朝(日本時間)にネーションズリーグの決勝が行われた男子バレー。惜しくもフランスに敗れましたが、主要国際大会では47年ぶりとなる銀メダル獲得です。
そんななか、石川祐希選手が「ベストアウトサイドヒッター」、さらに山本智大選手が「ベストリベロ」に選出されています。決勝を含むネーションズリーグについてお話を伺っていきましょう。
ホラン千秋キャスター:
石川選手。今首から下げていらっしゃるのは銀メダルで間違いないと思いますが、かけてみて重さはいかがですか?
石川祐希選手:
2023年も銅メダルを獲ったので、それと同じ感じですが、2023年以上の成績を残すことができたのでいいかなと思います。
ホランキャスター:
改めて試合の映像を見てみて、そのときの興奮や、自分たちのなかで高まる思いみたいなものは思い出すことができましたか?
石川祐希選手:
そうですね。やはり決勝で負けてしまったので、映像を見ると悔しい気持ちがまたフツフツと込み上がってきました。
ホランキャスター:
その悔しい気持ちは、どこで返したいなという気持ちでいらっしゃいますか?
石川祐希選手:
間違いなくオリンピックで返せると思いますし、今回はオリンピックに出られるという特別な舞台があるので、そこでこの銀メダル以上のものを目指して戦っていきたいと思います。
ホランキャスター:
南波さん。世界大会の決勝で日本代表の皆さんが見られると、私たちも幸せでしたよね。
南波雅俊キャスター:
もう興奮して、ちょっと今日は寝不足です。
石川選手は大会前から「決勝に行くことがパリオリンピックの金メダルを獲得するうえで非常に重要」「ここでメダル争いをすることが大事」と言っていて、決勝進出を目標にされていたと思います。そういった意味で今大会、決勝に行けたことは、手ごたえも含めて、キャプテンとしてどのように捉えていらっしゃいますか?
石川祐希選手:
まずネーションズリーグの決勝進出という目標を立ててやってきて、それを達成することができたので、目標を達成する力はあるなと改めてチームで感じました。
決勝は僕たちが今まで経験したことのない舞台だったので、そこを今回のVNL(バレーボールネーションズリーグ)で経験することによって、よりオリンピックのイメージがつきやすくなったので、オリンピックに繋がる大会になったと思います。
■「日本のチームの良さや強さを、改めて感じることができた」
ホラン千秋キャスター:
私たちも、ますます楽しみになったなという気がいたします。
続いて高橋選手。けがの状態など、ファンの皆さん含めて心配されていたと思いますが、そういったこともありながらの銀メダルという結果を、今どのように受け止めていらっしゃいますか?
高橋藍選手:
なかなかコート外というか、客観的にチームを見る機会は今までなかったので、日本のチームの良さや強さを改めて感じることができました。
今回は自分自身、ファイナルラウンドはプレイしていませんが、この2位という成績が、やはりこの先も繋がっていくいい経験だったのかなと思います。
ホランキャスター:
特に強さの面でいうと、コートの外から見てみて、どこが要かなと感じましたか?
高橋藍選手:
この決勝戦もそうでしたが、20点以降というか、試合終盤で1点を取っていく力が、決勝で勝っていくことにも多分繋がっていくと思います。準決勝まで、終盤というところが日本の強さが出ていたので、そこで取る力というところが、日本は確実に成長していけるんだなと感じました。
あと、決勝ではフランスのほうが一枚上手だったのかなと客観的に見ても感じたので、やはりそこは自分自身、まだまだチームとしても求めていくポイントだったのかなと思います。
ホランキャスター:
注目度でいうと、コートの中でももちろんですが、コートの外でも大注目だったというところが、それぞれの開催都市というか、競技会場で感じられたのではないでしょうか?
高橋藍選手:
そうですね。本当に今の日本代表は、どこに行ってもホームのようにファンの方が温かく応援してくれるので、非常にチームとしてもやりやすい環境だと思いますし、どこに行っても応援してくれる方々がいるところは、非常に嬉しいことだなと思います。
■「長かった…リフレッシュも外出も何もしていない」
南波キャスター:
続いて、今大会でチームトップの185得点だった西田選手にも伺っていきます。大会前から、2023年とはまったく違う感覚で、2023年はちょっと苦しかったが2024年は非常に楽しみだとおっしゃっていました。大会をご自身で振り返って、いかがでしたか?
西田有志選手:
いやー、長かったですね。(一同笑)
とりあえず、全員が大きなけがなく終われたことも良かったと思いますし、2024年はチームとして、まず2023年よりもネーションズリーグでしっかり上の結果を求めると口にしていたところをクリアできたのは良かったのかなと思いますが、決勝で負けてしまった悔しさが今はずっと残っているかなと思います。
南波キャスター:
今大会の西田選手は、強烈なスパイクや強烈なサーブはもちろんですが、緩急、ランダムを織り交ぜたプレーなども非常に印象的でした。そのあたり、ご自身はどのように感じましたか?
西田有志選手:
練習でもそこは意識して取り組んでいた部分でもありましたし、自分のスパイクのコースをディープに打つことなどを常にやり続けていたので、それは数値として出ていたのかなと思っています。
ホランキャスター:
ちなみに、先ほど「長かった」というお話がありましたが、その長い中で、どのような瞬間が癒しになっていましたか?
西田有志選手:
いや、癒しはなかったですね。(一同笑)本当にリフレッシュも、外出も何もしていないので、とりあえず休みたいです。
南波キャスター:
でも、西田選手。男女ともにパリへというのが一つ大きなテーマだったと思いますが、今回、男女ともに出場権をつかみました。ともに戦っていくという意味では、今の気持ちはいかがですか?
西田有志選手:
本当に自分も嬉しく思いますし、女子と一緒に行けることも、バレー界にとってはすごくいいことだと思います。ここから同じような目標でお互いにやっていく部分だと思いますが、男子は男子で、女子は女子でというような形にはなるにしても、しっかりとお互い自分たちが持っているものをすべて出し切って、自分たちの目標をしっかりとつかみ取りたいなと思っています。
■「小川選手の存在もあって、毎日高め合ってやってこられた」
南波キャスター:
そして、ベストリベロの山本選手。本当に今大会はもう、山本選手がコートの中に何人いるんだというぐらい全部ボールを拾っていたようにも見えましたが、ご自身の中で、どのような意識でプレーされていましたか?
山本智大選手:
ポジション柄もあって点数を取ることができない中で、ボールを拾うことしかできないので、本当にその一心で戦いました。
南波キャスター:
山本選手は「日本のリベロが世界一であることを証明したい」ともおっしゃっていましたが、まさにベストリベロになりました。そのあたりのご自身の思いはいかがでしょうか?
山本智大選手:
非常に嬉しいことだと思います。でも、小川(智大)選手の存在もあって、本当に毎日高め合ってやってこられたので、いろいろな方に感謝の気持ちでいっぱいです。
ホランキャスター:
「ボールを拾うことしかできない」と山本選手はおっしゃいますが、拾っている姿や、その力強さ・心強さに、ほかの選手の皆さんは大変支えられている部分があるのではないでしょうか?
石川祐希選手:
そうですね。やはりバレーボールはレシーブ、ディフェンスから始まるので、そこに世界一の選手がいることは、チームにとってはとても心強いです。
南波キャスター:
本当に皆さん、攻守とも最強のチームになっているなと感じます。最後に石川選手、改めてパリオリンピックに向けてお願いいたします。
石川祐希選手:
パリオリンピックではVNL以上の結果、金メダルを目指して全員戦っていくと思いますし、このVNL以上の苦しい大会にはなると思いますが、必ずメダルをつかみ取っていきたいと思います。
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<プロフィール>
石川祐希選手
キャプテン 攻守でチームを牽引
「ベストアウトサイドヒッター」選出
高橋藍選手
イタリアで成長した「攻守の要」
今大会もオールラウンダーとして活躍
西田有志選手
雄叫びが印象的な「左のエース」
今大会チームトップ185得点をマーク
山本智大選手
世界に誇る最強リベロ
今大会の「ベストリベロ」に選出
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