テレビ離れが進み、インターネット配信が好調な時代に、1分間1ラウンドで戦う格闘技イベント「Breaking(ブレイキング)Down(ダウン)」が話題をさらっている。

 プロの格闘家に加え、喧嘩(けんか)師や元暴走族を名乗る素人の腕自慢らの過激なあおり合いが熱狂を生む一方で、過去に出場した選手が逮捕されるなどし、批判の声も少なくない。

 最高執行責任者(COO)の溝口勇児さん(39)に運営側の考えを聞いた。

 ――人気に火をつけた選手オーディションでのあおり合いは戦略なのでしょうか。

 「いいえ、自然に発生しました。僕たちが指示しているわけではありません。そこで起きるドラマや因縁がBreakingDownの良さだと思うので、必要以上に介入することはないですね」

 ――話題を集める中、逮捕者が出る事態が起きています。

 「BreakingDownでは過去に大きな失敗をした人や、持たざる者として(不遇な環境で)生まれ育った人に再挑戦できる、人生を変えられる機会を与えたいと思っています」

 「僕自身、3歳ごろに父親が母親とは別の女性と家を出て行くなどし、貧乏な家庭で育ちました。そうした生い立ちだと、身近に悪いことに手を染めがちな環境があるんですよね。僕は、たまたまそういう道をたどることはなかったですけど」

 「我々のような団体が批判されないのはおかしいと思いますし、暴力を容認したことは一度もありません。ただ、道を踏み外した人に対し、せめて僕たちぐらいは寛容であれたらいいなと思っています」

 ――逮捕者への対応は。

 「無期限の出場停止にし、警察OBや弁護士で構成されたアドバイザリーボードに面談してもらう体制を整えるなどしています」(佐藤祐生)

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