(8日、第106回全国高校野球選手権長野大会2回戦 長野俊英10―0上田)

 六回裏、長野俊英が相手のミスから得た好機に一気にたたみかけた。点差を6に広げ、なお1死満塁で、主将の5番打者、羽片(はがた)一磨(3年)が打席へ。2球目の低めの変化球にタイミングを外されながら、右手1本でバットを振り抜いた。

 ライナー性の打球は左中間を抜ける。二塁を回ると、右腕を大きく回す三塁コーチの姿が見えた。「いける」。三塁も蹴った。両腕を必死に振り、体重80キロ超の体で力強く本塁に滑り込んだ。「苦しかったけど、気持ちよかった」。自身初のランニング本塁打で4点を加え、チームのコールド勝ちを決めた。

 試合後、「自分たちらしい爆発力を発揮できた」とうれしそうに振り返った。第4シードで臨むこの大会、目標は初の甲子園出場だ。「油断しやすいチームなので、みんなには『地に足をつけていこう』と言おうと思います」。主将らしい言葉を残して、次戦に頭を切りかえていた。(菅沼遼)

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