カップを山の形に積み上げて崩す速さを競う「スポーツスタッキング」の世界大会が3月に米国で開催され、日本代表として出場した那覇市立首里中学校3年の久場雄真人(ゆまと)さん(14)が13~14歳男子の部「3-3-3」の種目で優勝を果たした。

 三つ重ねたカップの3セットを積み上げて崩す種目で、1・813秒と自己新記録を達成。他の出場2種目を合わせた総合タイムでは 3位に食い込んだ。

 2回目の出場で駆け上がった頂点に「強豪がいる中、発祥地のアメリカで優勝できてびっくり。次は全年代での世界ランク上位に入りたい」と意欲を見せた。

■沖縄の仲間と競技に意欲

 米国で3月に開催されたスポーツスタッキングの世界大会で、13~14歳の部の1種目を初制覇した那覇市立首里中学校3年の久場雄真人さん(14)。「スタッキングの魅力をたくさんの人に知ってもらい、いつか沖縄の仲間と複数人で競技するダブルスやリレーに挑戦したい」と願う。

 競技との出合いは小学5年の夏、たまたま見たユーチューブの映像だった。幼い頃からマジックやジャグリングなどの手遊びが大好きで、視聴後すぐに母に道具を買ってもらった。練習を重ねるたびにタイムを更新。数字として成果が出る面白さにはまったという。

 世界スポーツスタッキング協会(WSSA)が公認する日本唯一の組織「WSSA-JAPAN」の大会で経験を積み、12個のカップを使う「3-6-3」や、複雑な動きを組み合わせた「サイクル」の2種目では日本新記録を樹立した。

素早い手さばきでカップを積み上げる久場雄真人さん=18日午後、南風原町新川(竹尾智勇撮影)

■世界に挑戦させてくれた両親に感謝 

 日本代表に選ばれ、昨年4月にはシンガポールで開かれた世界大会に初参加。13~14歳の部で総合5位の結果に終わった。悔しさから一日5時間の練習を積み重ね今回、2回目の世界大会にチャレンジ。「緊張でミスする場面もあったが、最後は肩の力を抜いて、楽しんで競技できた」と振り返る。優勝した3-3-3のタイムも、日本新記録に認定される見込みだという。

 久場さんが世界でも活躍したことから昨年、初めての沖縄大会も開催された。今年7月には第2回大会も予定されている。「多くの費用がかかる中、世界大会に挑戦させてくれた両親にとても感謝している。沖縄でも競技人口が増えるとうれしい」と語った。

 母の範子(のりこ)さん(46)は「趣味で始めたものが世界一にまでなるとは驚いた。夢中になると、とことん打ち込む性格が結果に表れたと思う」とほほ笑んだ。(社会部・垣花きらら)

世界大会で獲得したメダルを手に笑顔を見せる久場雄真人さん(右)と母の範子さん=18日午後、南風原町新川(竹尾智勇撮影)

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