第106回全国高校野球選手権岩手大会の開会式が10日、盛岡市のきたぎんボールパークであり、甲子園の舞台を目指す球児たちの夏が始まった。盛岡四―花巻農の開幕試合は約1時間の雨天中断をはさんで、花巻農が逆転勝ちした。11日はきたぎんと花巻の2球場で計6試合がある。
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球場の上に打ち上がったのろしから始まった開会式では、63校55チームの選手たちが、元気いっぱいの掛け声とともに大きく腕を振って行進しながら入場した。
先導役である花巻東の女子硬式野球部・佐々木秋羽さん(3年)を先頭に、選手らは力強く行進。国旗や連盟旗は、来春統廃合される予定の4校、久慈東、久慈工、盛岡南、不来方の生徒が持って歩いた。
開会式で、県高校野球連盟の瀬戸和彦会長は「一生懸命取り組んできた練習の成果を発揮し、そしてはつらつと正々堂々と最後まで全力でプレーしてほしい」と激励した。
朝日新聞盛岡総局の長谷文総局長は「後から振り返り、『ああやって臨んだから、今の自分がいる』。この大会を、そう思い返せるような経験にしてほしいと、心から思う」とエールを送った。
開会式の後、高校野球の発展に貢献した指導者に贈られる「育成功労賞」の表彰式があり、宮古の中村明徳さんが表彰された。
開会セレモニーでは、不来方の音楽部が合唱で、力強い歌声を響かせた。また福岡、盛岡一、花巻北、黒沢尻北、水沢、一関一の計6校の生徒たちによるバンカラ連合が、大会に臨む選手たちにエールを送るなど演舞が披露された。(松尾葉奈)
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「不易流行。世の中には変わらぬものと、常に変化し続けるものがあります」。盛岡南の下田大地主将(3年)による選手宣誓は、まっすぐ前を見つめ、そんな言葉から始まった。盛岡南は来春、不来方と統合が決まっている。今大会は、盛岡南として出場する最後の夏の岩手大会になる。
杉田英一監督と宣誓に入れる言葉を考えるなかで、「不易流行」を提案された。言葉の意味を聞くと、40年以上の歴史に幕を閉じ、統合される盛岡南にぴったりだと思った。
母校がなくなるのはさみしいが、統合されても変わらないことがある。「歴史のなかで先輩方の夢も、私たちの夢も常に変わることなく、甲子園へと続いていました」。チーム計20人のうち、1、2年生は11人。校名は変わっても、この夢を後輩にもつないでほしいと思う。
歴史をつないできた先輩たちへの感謝も込めて、こう締めた。「最後の一瞬まで決してあきらめることなく、白球を追い続けることを誓います」
開会式後、大役を終えた下田主将は「今までと比べものにならないくらい緊張した。かまずに言えて、ホッとしました」とあんどの表情を見せた。(松尾葉奈)
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