(第106回全国高校野球選手権愛知大会3回戦 岡崎工科4―2名古屋)

 「落ち着いていこう」。名古屋の主将で遊撃手の蟹江謙介選手(3年)はピンチを迎える度、マウンドに駆け寄る仲間にこう声をかけた。

 同点で迎えた三回裏、守りの乱れなどから岡崎工科に再び2点のリードを許したが、4回以降は追加点を許さなかった。

 三回表にはストレートを左中間へはじき返す適時三塁打を放ち、犠飛でかえって同点のホームも踏んだ。ただ打線は続かなかった。

 堅守がモットーのチーム。芝野悦郎監督は試合前、「序盤に気をつけ、不用意に点を取られないこと」と注意を促していたが、危惧していた通りの展開に。「前の試合から8日も空いて心にすきが生まれたのか。野球は難しい」と語った。蟹江選手は「実力不足に尽きます」と振り返った。(臼井昭仁)

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