(15日、第106回全国高校野球選手権岡山大会1回戦 倉敷天城9―0吉備高原)
倉敷天城の森倖太郎(こうたろう)(3年)が7回参考記録ながら完全試合を達成した。
最後の守備につく前、仲間に声をかけられ、初めて気づいた。「点差もあったし、緊張は特になく、勝ちにいければと」。最後の打者を三ゴロに打ち取り、右手でガッツポーズ。66球を投げて9三振を奪い、内野ゴロ6、内野飛球4、外野飛球2。「完全試合じゃなく、チームが勝てたことがうれしいです」。3年ぶりの夏の初戦突破を喜んだ。
広島出身という両親譲りのカープファンだが、小学校で熱中したドッジボールでひじを痛め、中学はテニス部に。故障が癒え、高校で念願かなって野球を始めた。
入部当初は内野手だったが、当時の監督に投手転向を勧められた。1996年の選抜で岡山城東のエースとしてベスト4入りした坂本憲保・前監督だ。「投手のすべてを教わりました。今もキャッチボールをすると現役の僕らよりキレがいいです」
170センチ、70キロ。速球は120キロ台。打者の反応を見ながらスライダーとカーブを織り交ぜる。「元々目立つのが好きなので、グラウンドの真ん中で主役になれるのが楽しいです」。会心の笑みをこぼした。(大野宏)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。