(18日、第106回全国高校野球選手権鳥取大会2回戦 米子西14―1米子高専)

 13点差を追う七回裏。2死走者無しで、米子高専の安田泰偲主将(3年)がバッターボックスに立った。「絶対に塁に出る」としか考えていなかった。

 球筋を見極め、ボールを二つ見送った3球目。快音を響かせ、センター前にはじき返した。一塁ベース上で笑顔がこぼれた。だが、後続が断たれ、唇を固く結んで最後のあいさつに並んだ。

 試合後、西村信次監督は「最近のチームでは一番力があったのに、本番で力を発揮させてやれなかったのは監督の責任です」と選手たちをねぎらった。

 安田主将は両目いっぱいに涙をためて「(安打を打って)最後は楽しめたかなと思います。来年は絶対に勝って欲しい」と、声を振り絞った。(奥平真也)

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