(19日、第106回全国高校野球選手権東東京大会4回戦 青山学院2―0葛飾商)
11年ぶりの16強進出を果たした青山学院をベンチで支えているのは、2人の女子生徒だ。試合中の厳しい表情から一転、勝利がきまると、2人は抱き合って喜んだ。
一人は、助監督の葛西七帆(3年)だ。父は、慶応高校(神奈川)野球部の選手だった。頻繁に試合を観戦に行くなど、野球が身近な環境で育った。
ただ、「野球は憧れ。好きなのは音楽」と小学4年から吹奏楽を始め、中学時代はサックスを吹いていた。高校も続けるつもりだったが、入学時に野球部の練習を見学し、「高校野球への憧れが勝ってしまった」。今や「戦友」と呼び合う守屋嘉乃(3年)と一緒に、マネジャーとして入部した。
昨秋、新チームになると、部員は10人に。試合の際の出場選手のケアや、道具の整理など、ベンチ入りする1人のマネジャーだけでは手が回らなくなった。マネジャーが2人ともベンチに入れるように、選手が葛西を助監督に指名した。葛西は「3年生が信頼してくれたから、2人でベンチに入れた」と感謝する。
氷や飲み物の手配などの裏方仕事だけではない。低めの変化球を空振りした選手には、「目線を上げて」と声をかけるなど、時にはプレーに関するアドバイスもする。
8強をかけて次に戦う相手は日大豊山。2年前の夏、初戦で5回コールド負けした。「先輩たちの思いも背負って、ベンチから勝ちに導きたいです」と話した。
=都営駒沢(中村英一郎)
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