(19日、第106回全国高校野球選手権岩手大会3回戦、宮古商工2―9盛岡大付)
バットは短く、大振りに気を付けてコンパクトに――
5点を追う四回裏、1死走者なしの場面。宮古商工の9番打者・中村裕誠選手(3年)は、自分にこう言い聞かせながら打席に入った。2ボール2ストライクで迎えた5球目。「何としても1番打者につなげる」と捉えた打球は狙い通り中前打となった。
続く中前打で三塁へ。三ゴロの間に本塁に突っ込み、タッチアウトになったが、チームをもり立てた。
身長171センチ、体重56キロ。細身で「見ての通り、パワーがある方でも、長打が打てる方でもない」と話す。だからこそ、自分の役割を考えた。小技でつないだり、打席で粘ったりして「ただでは終わらない選手になろう」。打撃練習に励んだり、打てる構えを周囲に一緒に考えてもらったりした。
練習の成果は2回戦で対戦した、昨夏4強の盛岡商戦でも発揮した。延長十回タイブレークで決勝点となる中前適時打を放った。「周りの支えで打てるようになった」
宮古商工は昨秋の大会は連合チームでの出場だった。「協力することについてすごく学ぶことができた」。そこから単独チームでの夏2勝。汗をぬぐいながら時折、笑顔を見せた。(藤井怜)
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