挑み続けることに、年齢は関係ない。47歳の杉谷泰造(すぎたに・たいぞう)が人馬一体で日本勢最多夏季五輪7回目の出場を目指す。馬術は動物と共に行う唯一の五輪競技となる馬術。かつての日本代表では1932年ロサンゼルス五輪においては障害飛越にて“バロン(男爵)西”として世界に知られている西竹一(にし・たけいち)さんが獲得した金メダルが唯一のメダルとなっている。その同じ種目で杉谷は96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネ、08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロと6大会連続五輪出場を果たし、夏季五輪では飛込み男子の寺内健さん(23年引退)と並ぶ日本勢最多出場の偉業を果たしている。

パリ五輪の会場は世界遺産“ベルサイユ宮殿”

1979年にフランス初の世界遺産として登録されたベルサイユ宮殿がパリ五輪の馬術競技会場となる。なお、近代五種の5競技もヴェルサイユ宮殿で開催される予定。

世界遺産ベルサイユ宮殿がパリ五輪の馬術競技会場となる

壮大な庭園に競技場と観客席が設けられ、庭園に近接するグラン・カナル運河沿いでは総合馬術のクロスカントリーが実施される。競技日程は開会式翌日の7月27日から総合馬術から始まり、8月6日の障害馬術・個人で馬術競技の全日程を締めくくる。

出場への想いは「今までのオリンピックの中で一番強い」

杉谷がパリ五輪代表を勝ち取れば、史上最多7回目の出場となる。もちろん出場の栄誉が目標ではない。

杉谷泰造:
僕にとってオリンピックは「4年に1回のテスト」ですよ。自分の立ち位置がわかる。もちろん世界一番の競技ですけれどもそこで、毎回出るたびに、自分は今どの辺なのかなっていう確認もそうですけども技術もどれだけ上がってるかなっていうことがわかります。

47歳杉谷泰造 日本勢最多7度目の夏季五輪へ

Q.オリンピックへのこだわりは
杉谷:

やっぱり、一番の世界一の試合なのでそれに出たいっていう大きい夢でもありますしね。特に海外のすごい強い国ほど何10人、20人とか30人とかすごい強い選手がいるのはその中から選ばれた3,4人なので、そこに行くっていうのはすごく大変です。
Q.6大会連続出場は自信になっている?
杉谷:

自信もそうですけれども、やっぱり出たい・もっと上手くなりたいっていう次のオリンピックはもっとすごい、以前のオリンピックより良い成績を出したいっていう気持ちが強いと思う。前回の東京も地元開催というのは本当に一生に一度なので、それを逃した(※馬の不調のため)というのはすごく悔しいですし、悔しい想いを次、絶対、絶対出てやるっていう気持ちは、多分、今までのオリンピックの中で一番強いと思います。

親子4代五輪出場の壮大な夢へ「世界一の試合を見せる」

祖父・川口 宏一(かわぐち・こういち)さんは56年メルボルン、そして父・杉谷昌保(すぎたに・まさやす)さんは76年モントリオール、72年ミュンヘン、68年メキシコの3大会で馬術での五輪出場を果たしている。

親子4代に渡る五輪出場の壮大な夢

すでに3代に渡り、五輪代表となっている杉谷には壮大な夢がある。
Q.子供にもオリンピックを目指してほしい想いは?
杉谷:

夢ですね。4代目っていうので…4代目はなかなかいないですね。本当は行ってほしいです。だから何とか4代目ね。やってほしいですよね…上の子が9歳下の子が6歳で、やっぱ今回パリに出て、見てもらいたいっていう気持ちもありますし、彼らが本当にやりたいんであれば、やっぱり世界一の試合を見せないと駄目ですし、あとは本人次第ですよね。

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